ゴメス ようやく合流も“ぬるま湯”始動のち40発宣言

[ 2015年2月9日 05:30 ]

心配無用!フリー打撃では強烈な当たりを連発するゴメス

 パスポート盗難で来日の遅れた阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が第2クール3日目の8日、宜野座キャンプに合流した。練習開始早々に近隣の温浴施設へ足を運ぶ“ぬるま湯”始動ながら最後は室内での打撃練習で鋭いスイングを披露。和田豊監督(52)からの35発指令に40発宣言を返した。 

 時刻は午前10時。練習開始に先立ってゴメスは首脳陣、選手らの前であいさつに立った。「遅れてスミマセン…」。日本語交じりの“謝罪”で空気は和んだ。

 さあ、始動――と思いきや、選手の列には加わらない。それどころか、10分後には宜野座球場を離れた。向かったのは近隣の温浴施設。当初から別メニュー調整の予定とはいえ、右太もも裏痛を抱えるマートンと同じ動きだった。来日遅れの理由は故障ではなくパスポート盗難の受難。首脳陣の配慮が込められた“湯ったり”発進だった。

 正午過ぎに球場に戻ってきた後は準備運動を経てキャッチボールで肩を慣らし、平田ヘッドコーチのノックを受けて体もほぐした。ティー打撃の後はオマリー打撃コーチ補佐の下手投げの球を19スイング。ここまでが故障組のマートンとまったく同じメニューだった。

 その後が違う。距離を取り、オマリーコーチの上手投げの球を打ち始めた。力感にあふれる鋭いスイング。迫力の打球音も響いた。見守っていた和田監督を安心させたのは力強い49スイングだけではない。打ち終えた後に状態確認で少しだけ話し込んだ。「日本に来て2年目だから35発はいけ!」。直々の指令に「いや。40発だ」の答えが返ってきた。

 「それくらいの意気込みだろう。去年の合流初日よりも状態はいい。念には念を入れて無理はさせない。本隊合流は第3クールから。去年は急いで(右)膝を痛めた。ゆっくり、しっかり」。長女誕生に合わせて来日が遅れた昨春は2月11日に合流。日本野球は体験済みで1年前のように調整を急ぐ理由はない。

 「鳥谷や今成らチームメートと会えてうれしかった。1日目の練習をいい感じで終えられた。監督とも野球の話をした。一日でも早く(本隊に)合流したい。きょうは体の状態の確認をした。ノックを受けることもバッティングでできた。いい感じで動けたが、まだまだ練習は必要。少しずつ調子を上げていきたい。時差ボケで、まだ少し眠いしね」。実戦不足で開幕した昨季は109打点を記録して打点王を獲得。40発の野望を胸に抱く2度目の春、3・27開幕を見据えるゴメスに焦りはない。

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2015年2月9日のニュース