黒田 ローテ守った裏にイチローの存在…ヤ軍で共闘「財産」

[ 2015年1月30日 06:30 ]

黒田(右)がヤンキースでローテーションを守れたのは、イチローの存在が大きかった

 ヤンキースから8年ぶりに古巣・広島に復帰した黒田博樹投手(39)がロサンゼルスでスポニチ本紙の取材に応じ、イチロー(41)と一緒にプレーした2年半を振り返り、感謝の言葉を寄せた。日本と米国。それぞれ別々の道を歩むことになったが、新天地が決まった際にはともに連絡を入れたという。2人は固い絆で結ばれている。

 2年半、一緒にプレーさせてもらいましたが、一番印象に残っているのはイチローさんの強さでした。体もそうですけど、精神的な強さ。イチローさんがいたから僕も多少なりとも強くなれたのかなと。よく本人が口にされていた「持って生まれたものだけでやっているのではない」という言葉も、近くにいたからこそ身に染みた。イチローさんなしでは、ヤンキースでローテーションを守ることはできなかったと思っています。

 イチローさんは何があろうと試合に出続けた。体のことは僕らチームメートだから見える部分があって、「やばいんじゃないか」「大丈夫かな」と心配になった日もありましたけど、ユニホームを着て必ずグラウンドに立っていた。そこにブレはない。特に2年目、3年目はレギュラー確約ではなく、悔しい思いもたくさんされたはずなのに、一切それを表に出さず淡々と準備を続けた。芯が強い、逆境に立たされても強い人だなと。

 あそこまで成績を残してきた人にそんな姿勢を見せられると、やらざるを得ないというか、先発投手は中4日もらって、ローテーションを簡単に飛ばせないなという気持ちになりました。食事にも連れて行ってもらいましたけど、この期間は野球人生の財産です。

 実は年末に広島に復帰すると決断した際、最初にイチローさんに連絡を入れました。びっくりされていて、僕もその時点では気持ちの面でまだもやもやした部分があったんですけど、「決めた以上は頑張れ」と背中を押してもらった。今回、マーリンズへと決断された時に、再び話す機会をいただけて、それは凄くうれしかった。

 メジャー3000安打とか言いますけど、イチローさんの場合は数字ではないと思う。僕より1学年上で、また気持ちを奮い立たせて、新たな挑戦を、という姿勢が凄い。環境が変わってもやりきる、貫き通そうというのがイチローさんらしいなと感じています。

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2015年1月30日のニュース