阪神ドラ1横山 異例のノースロー始動 代表で登板疲労を考慮

[ 2015年1月9日 05:30 ]

にこやかに練習を行う横山

 阪神の新人合同自主トレが8日、鳴尾浜球場で始まった。ドラフト1位の横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)は初日から異例のノースロー調整。昨年11月中旬まで第1回IBAF 21Uワールドカップ(台湾)の日本代表として登板を重ねた疲労を考慮し、首脳陣も超スローペースを容認。「金の卵」を故障から守り、即戦力左腕として羽ばたかせる。

 新人がそれぞれグラブを手に取りキャッチボールの準備に入る中、横山がその輪から外れた。石崎、守屋と他の投手が腕を振る中、ポール間走で黙々と汗を流す。異例とも言える初日からのノースロー。年明けは1度も投球できておらず、故障を懸念する声も挙がる中、本人は首を振った。

 「(肩、肘に異常とか)そういうのはない。まずはしっかり体を作ろうということなので。(焦りも)特に感じていない。しっかり自分のペースでやっていきたい」

 視察に訪れた中西投手コーチも「U21で投げていたからな。疲れはないけど、スロー調整でいこうとなった。そういう(故障の)報告も受けていない。(ブルペンも)体作りをしてからじゃないと。第1段階の動きをクリアして次の段階に進める」と、故障発症ではなく予防するための措置であることを強調した。

 昨年、21Uワールドカップの日本代表に選出されると、初戦のオーストラリア戦で中継ぎ登板し3イニングで8奪三振無失点の快投。その後もチームの中心として先発、中継ぎとしてフル回転した。即戦力左腕の期待に違わぬ実力を発揮した一方で、11月中旬までマウンドに上がったことによる疲労の蓄積が心配された。

 球団は健康診断や体力測定、さらに首脳陣との意見交換の中で、超スローペース調整を容認。スローイングの再開に関しては本人も「しっかり球団と話していきます」と未定とした。

 中西投手コーチは「新人はキャンプでも第1クールは投げなくてもいいぐらいだから。(キャンプメンバー振り分けは)最終的には23日」と今後の状態を見守る意向を口にした。それでも、昨年は沖縄・宜野座に途中合流した岩貞が左肘痛で離脱した経緯もあって、現状では安芸キャンプスタートとなる可能性が高い。

 「キャンプが1軍であろうと2軍であろうと特に意識はしていない。開幕の時に1軍で活躍できればいい」

 輝く未来のために我慢の時を経て背番号15は飛躍していく。

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2015年1月9日のニュース