大谷 ソフトボール特訓 大きく重いボールで飛距離アップ狙う

[ 2015年1月9日 05:30 ]

ソフトボールの使用球でティー打撃する大谷

 日本ハム・大谷翔平投手(20)が8日、千葉・鎌ケ谷で自主トレを行い、ティー打撃でソフトボールを使った練習法を初めて導入した。硬式球よりも大きく重いボールを打つことで本塁打を量産し、1918年に「13勝&11本塁打」を記録したベーブ・ルース(当時レッドソックス)超えを狙う。また、今年初めてブルペン入りし、二刀流3年目へ本格始動した。

 目の錯覚ではない。大谷がティー打撃で打ち返すボールは蛍光色で硬式球よりも明らかに大きい。それもそのはず。ソフトボールだ。約30球。開始当初は満足いくスイングができず「あーっ!」と悔しがったが、次第に鋭い打球を連発した。

 「今はしっかりしたフォームで打つことを意識している。いいものはどんどん取り入れてやっていきたい」

 初めてソフトボールを使った打撃練習。大谷は「特に意味はないです」と語るにとどまったが、ソフトボールは投手のトレーニング用のボールとして使われ、中継ぎの矢貫らがリリースポイントの確認のために投げ込んでいる。大谷は投手としては使っていないが、打撃練習に活用したのだ。3年前にはロッテの清田も行った練習法。ソフトボールは硬式球よりも大きくて重い。全身を使うと同時に、芯で捉えないと前に飛ばせない。飛距離アップを狙う大谷ならではの練習法だった。

 二刀流2年目の昨季は11勝、10本塁打をマークし、同一シーズン史上初の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成。3年目の今季は中軸打者として「数字は昨季より確実に前進したい」と誓う。シンプルにスイング力をつけ、飛距離をさらに延ばす。1918年に「13勝&11本」をマークした伝説のベーブ・ルースを超えることを目指している。

 新年初ブルペンも敢行した。報道陣には「ブルペン入りはいつにするか決めていません」と話していたが、打撃練習を終えて合宿所に戻った約1時間後に再び室内練習場に姿を現した。1歳年下で内野手の渡辺を立たせ直球のほかに、カーブ、スライダーを織り交ぜて38球。ここでも試合では見せないワインドアップで体全体を使って投げ込んだ。この日は昨秋にドラフト指名された9選手のうち、156キロ右腕の1位・有原(早大)ら7選手の入寮日。しかし、新人以上に注目を集めたのは大谷だった。

 栗山監督が掲げる「二刀流3年計画」。1年目は打者としての方向性を見いだし、2年目は投手に軸足を置いた。3年目は投打を融合させる集大成を迎える。本格始動したこの日、ソフトボールを使った打撃練習で進化する過程を見せた。自ら思考し、実践できる能力は大谷の最大の長所。20歳の怪物は力強く、前に進んでいる。

 ☆野球(硬式球)とソフトボール(3号球)の違い☆

 ▼素材 野球のボールが牛革。ソフトボールは皮革またはゴム。

 ▼円周 野球が22・9~23・5センチに対し、ソフトボールは30・2~30・8センチと約1・3倍。

 ▼重さ 野球は141・7~148・8グラム。ソフトボールはゴムが185~195グラム、皮革が177・2~198・5グラム。40~50グラムほど重い。

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