ソフトBドラ5左腕 “さらにひねって”甲子園春夏連覇の輝き再び 

[ 2014年12月2日 09:30 ]

色紙に「初志貫徹」と書き込み抱負を語る島袋

 新型トルネードだ。ソフトバンクは1日、福岡市内のホテルで新人5選手の入団発表記者会見を行った。沖縄・興南で10年に甲子園春夏連覇したドラフト5位の島袋洋奨投手(22)は代名詞である「トルネード投法」の威力アップにつながるフォーム改造を宣言。左腕は中大で制球難に苦しんだが、同席した工藤公康新監督(51)もこの独特な投法に手を加えないことを明言。全面バックアップを約束した。

 選んだのは前へ進むことだった。入団会見を終えた島袋は、その場で新フォームを実演してみせた。これまでプレートに対し、左足のかかとを本塁方向へ約45度向けて置いていた。だが、新しいフォームではプレートと水平に足をかける。足もとのわずかな違いが、ホームベース上を通るボールへ大きな違いを生む。

 「新しい形だと、よりひねりの動きが加わる。強い球を投げられるようになると思います」

 従来通りならば足を上げるだけで、回転することができた。だが、左足をプレートと水平に置けば右足を上げただけでは回転不足。ねじりの動作を入れる必要が生じ、それがボールに伝わるパワーも上げる。

 興南では甲子園春夏連覇した左腕は中大で制球難に陥った。より、強い球を投げることは制球を戻すことと反比例するように思える。だが、目指すのは「プロの投手として一番上のタイトル」と沢村賞に置いた島袋は小さくはまとまらず、あえて「逆風」に立ち向かうことを選んだ。

 この日、入団会見に同席した同じ左腕の工藤新監督は「彼のやってきたことを尊重し、始めるのがいいと思う。フォームが崩れ、うまくいかないからああしろこうしろといじることはない」と断言した。独特のフォームに加え、4年春秋のリーグ戦は10試合25イニングで29四死球の制球難だが、一切目をつむる。まずは伸び伸びとやらせ、対話しながら方針を決めるつもりだ。

 今秋ドラフトで指名した選手で唯一の大学・社会人出身で「大学を出ている。体の動き、肩の具合で判断したい」と指揮官は春季キャンプのA組(1軍)スタート候補にも入れる。島袋も「まず1軍を目指したい」と呼応。あの熱い夏の輝きを取り戻す旅がいま、始まった。

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