“マー君後継者”則本 進化のスローカーブ 直球と球速差50キロ

[ 2014年3月9日 05:30 ]

<楽・中>2回2死、小笠原にスローカーブを投げる則本

オープン戦 楽天1―0中日

(3月8日 倉敷)
 速い腕の振りとは反比例した山なりの軌道。電光掲示板が示した球速は「102」だった。2回2死。楽天・則本が小笠原に投じたのは昨季の球速より約10キロも遅いカーブだ。150キロ前後の直球との球速差は約50キロ。これこそが、昨季15勝の新人王右腕が見せた2年目の進化だ。

 「去年の夏からカーブを投げているけど、緩急をつければ投球の幅はより広がると思っていた。もっともっと腕を振って100キロ台を投げたい」

 先発、中継ぎにフル回転した昨季の日本シリーズ。その時のカーブの平均球速は110キロだった。今季初実戦で3回無失点だった1日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも48球中、カーブを5球投げ、最も遅かったのは105キロだった。この日はさらに3キロも「更新」。「初回から直球が走らなかった」という状況で投球の幅を広げた。カーブを投げなかった2回2死までは、打者6人で3安打を許したが、その後は打者12人で被安打1。任された5回を無失点に抑えた。

 新人だった昨季に兄貴分として慕い、24勝無敗だった田中はヤンキースに移籍。「自分は田中さんを近くで見て成長できた。今度は自分が後輩に見られる存在になりたい」と言う。カット、スラーブなど数種類のスライダー系を操る右腕は、数日前にドラフト1位の松井裕から「横回転のスライダーはどうやって投げていますか?」と質問された。松井裕が得意とするのは縦回転のスライダー。すぐに握りと投げ方を伝授した。その松井裕は、この日のブルペン投球でさっそく「横スラ」を試投。則本は早くも「見られる存在」となっている。

 2月17日には「開幕投手に立候補してみようかと思います」と表明。松井裕も候補に入れている星野監督だが「よそがエースでも一歩も引けを取らないような試合にしてほしい」と2年連続で大役を任せる可能性を示唆した。プロ2年目の23歳は、3月28日の開幕西武戦(西武ドーム)に照準を定めた。

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2014年3月9日のニュース