山崎、逆転2ラン!楽天、震災から半年の節目に3位浮上

[ 2011年9月12日 06:00 ]

<楽・日>ヒーローインタビュー後、歓喜するファンに手を振る山崎

パ・リーグ 楽天2―1日本ハム

(9月11日 Kスタ宮城)
 楽天は11日、山崎武司内野手(42)の逆転11号2ランで日本ハムに勝利。ナイターのオリックスが敗れ、勝率差で3位浮上に成功した。東日本大震災発生からちょうど6カ月の節目を飾る劇的な白星。球場では黙とうがささげられた。「野球」が復興のシンボルとなるため、楽天は被災 地の思いを背負い続ける。ファンが期待する2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出へ突き進む。

 東北のファンの願いと声援が追い風となった。山崎の打球は右翼ポール際の最前列に吸い込まれた。逆転11号2ラン。大歓声の中、悠々とダイヤモンドを回った。

 「節目の日に本塁打を打つことができて、ホッとしている」

 東日本大震災から、ちょうど半年。試合前には黙とうがささげられ、スタンドのファンは「東北の元気と笑顔を世界に届けよう」などの横断幕を手にしていた。勝利を義務づけられた一戦。山崎も使命感を持っていた。「チームも被災した時の気持ちを思い出して頑張ろうと言っていた。亡くなった人の思いを一生持ち続けていかないといけない」。野球で東北を元気づける役目を果たし、大きく息を吐いた。

 打撃不振に陥ると、被災地のことを思い出す。地震発生から28日後の4月8日。避難所を訪問し、被害の大きさを目の当たりにした。そして楽天が復興のシンボルになっていることも痛感した。

 前日の日本ハム戦(Kスタ宮城)は3打数無安打。試合後は中途半端なスイングで併殺打になったことを反省しながらも「打撃の調子が悪いくらいで悩んでいたらいかんよな。俺と比べものにならないくらい大変な思いをしている人がたくさんいるんだから。半年の節目で思い出したよ」と気持ちを入れ直した。劇的な打球が飛び込んだ場所では、気仙沼市から招待された漁業関係者が観戦していた。津波の被害を受け、最近になってサンマ漁を再開。ゆっくりでも着実に前進している。

 ダルビッシュに7回零封されながら、諦めない心が勝利につながった。ナインが東北の思いを背負い、一丸でつかんだ。星野監督がチームの気持ちを代弁する。「いい勝利を東北の皆さんに贈ることができて良かった。まだ借金はあるけどな」。この1勝を残り試合につなげる。東北の期待はもっと高いところにある。

 ▼楽天・長谷部(6回6安打1失点の好投)粘り強く集中して投げることができた。四球を出さなかったことが良かったと思う。

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2011年9月12日のニュース