ダル獲り今年も超本気!レンジャーズGM直接視察へ

[ 2011年6月24日 10:00 ]

キャッチボールで調整するダルビッシュ

 交流戦を終えたプロ野球は24日にセ、パのリーグ戦が再開する。ソフトバンクとの首位攻防戦に臨む2位・日本ハムは、エースのダルビッシュ有投手(24)が先発。その試合をレンジャーズのジョン・ダニエルズGM(33)が視察することが23日、分かった。レ軍は昨オフもダルビッシュのポスティング・システム(入札制度)でのメジャー移籍に備え、獲得資金を捻出。シーズン中のGMの来日は極めて異例で、メジャー球団の争奪戦が早くも本格化してきた。

 リーグ戦再開のマウンドに立つ球界のエースに、ネット裏から熱い視線が注がれる。大リーグ関係者によると、ダルビッシュを視察するのは、レンジャーズのダニエルズGMとA・J・プレラー・プロスカウト部長。編成面における事実上のトップ2で、同関係者は「GMがわざわざ足を運ぶことで、本気度が伝わってくる」と話した。

 ダルビッシュはここまでリーグトップの8勝をマーク。既にその名前は大リーグ関係者には広く知れ渡っており、これまでもスポーツ専門局ESPNの電子版やニューヨーク・タイムズ紙などで特集されている。各球団のGMらが一堂に会する昨年12月のウインターミーティングでも話題に上り、あるスカウトは「どの球団でも先発3番手以内に入る」と評価。15日の阪神戦(甲子園)で連続イニング無失点が46回でストップした時は米国内でも報道された。

 日本に駐在スカウトを置く球団は今季も継続的にダルビッシュを視察しているが、この時期にGMが来日することは極めて異例だ。大リーグは7月31日のトレード期限に向けて、戦力の拡充などの見極めに時間を割く時期。昨季、球団初のリーグ制覇を果たしたレ軍は現在、ア・リーグ西地区の首位ながら、最下位のアスレチックスまでは5・5ゲーム差の大混戦で、2年連続地区優勝へ戦力補強は欠かせない。そんな中で、来季の戦力を見定めるために日本まで足を運ぶのは同GMの獲得への強い決意がうかがえる。昨季、ヤンキースの球団幹部が視察したのは8月下旬だった。

 レ軍は昨オフにも、ダルビッシュがポスティング移籍を表明した場合に備え、獲得資金を用意。メジャーでも屈指の資金力を誇り、関係者によると、応札額と契約を含めた資金は総額8000万ドル(約64億円)を超えるものだったという。近年は日本選手の獲得に力を注ぎ、08年には福盛和男(前楽天)を獲得。昨オフにも、同じ日本ハムからFAとなった建山と1年契約を結んだ。チームは昨季15勝を挙げたエース左腕ウィルソンが今オフFAとなる見込みで、日本の至宝をエース候補として考えている。

 ソフトバンク戦にはマリナーズなど数球団が視察する予定。レンジャーズの異例のGM視察で、早くもダルビッシュ周辺が騒がしくなってきた。

 ▽テキサス・レンジャーズ 1961年にワシントン・セネタースとして創設され、72年にテキサス州アーリントンに移転し現在の球団名に。過去には歴代最多5714奪三振のノーラン・ライアン(現球団社長)、3年連続本塁打王のアレックス・ロドリゲス(現ヤンキース)らが在籍。96、98、99、10年に地区優勝し、昨季は球団創設50年目で初のア・リーグ制覇。本拠地はレンジャーズ・ボールパークで収容4万9115人。日本選手は過去に伊良部秀輝、大塚晶則、福盛和男が在籍。現在建山が所属している。

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