広島、深刻な長打力不足…52年ぶり50本割れも

[ 2011年6月14日 06:00 ]

広島のチーム最多本塁打は、丸の3本…

 広島が記録的な長打力不足に陥っている。シーズンの約3分の1近い46試合を消化し、本塁打がわずか13本しか出ていない。144試合換算で40・7本という少なさ。両リーグ52年ぶりに50本を割る可能性も出てきた。

 昨季リーグ最少ながらも104本塁打だった赤ヘル打線が、今季はここまで13本塁打。個人のリーグ最多、バレンティン(ヤ)の15本よりも少ない。チーム最多が、昨季まで通算本塁打0本だった丸の3本というのは寂しい限り。主砲の栗原、新助っ人のトレーシーが1本ずつしか打てていない現状は、野村監督にとっても誤算だろう。

 このペースでいくと、シーズン144試合換算で40・7本となる。2リーグ制後、チーム本塁打が50本未満だったのは延べ31チーム。だがいずれも、平均防御率が2点台の年も多い50年代の記録だ。59年の近鉄を最後に1チームも出ておらず、広島がそうなると52年ぶりとなってしまう。

 もっとも一発が出ないからと、必ずしもペナントレースまで悲観する必要はない。今季は全体的に投高打低となっている中で、広島のチーム打率・243はリーグ2位。145得点も同3位につけている。得点力は他球団に後れを取っているわけでは決してない。

 さらに吉兆データもある。前回広島で本塁打数が2桁だったのは91年。リーグ5位の88本塁打ながらつなぎの打撃、抜群の投手力で優勝を果たした。個人最多が、後に長距離砲としてブレークする21歳、江藤智の11本だったのも共通項を感じさせる。13年連続Bクラスからの脱却は、ここからの踏ん張り次第だ。

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2011年6月14日のニュース