斎藤“寂しい”９位も「すげえ～」「なんで？」

斎藤（中央）は練習前に斉藤勝（左）、中村と談笑する

球宴ファン投票中間発表

　わずか１７６２票で９位。この日はインターネット、携帯電話のみの投票結果とはいえ、国民的人気者といわれる斎藤にとっては寂しい数字だ。

　松坂（西武）、田中（楽天）は入団１年目の中間発表から堂々の１位だった。巨人・沢村ら他のルーキーにも後れを取り、先発投手部門ベスト１０に入った新人の中でも４番目。同じ大物ルーキーとしてガックリ…かと思いきや、結果を聞いた斎藤は目をパチクリと大きくし、驚きの声を上げた。

　「すげえ～。素直にうれしいです。でも、なんでこんなに上にいるんですか？」。ここまで２勝をマークも、現在は左脇腹痛で２軍調整中。既に１カ月以上も戦線離脱している。春季キャンプなどでの大フィーバーから一転、故障もあり満足な成績を残せていない。プロは結果を出してなんぼ。それを本人が理解しているからこそ「こんなに上」とのコメントが口から出た。本音だった。

　「逆にケガしていることが申し訳ない。投票してくれた１７６２人の方々のためにも早く復帰して活躍するところを見せたい」。早ければ２９日のロッテ戦（札幌ドーム）で１軍復帰。２１日のイースタン・リーグ、巨人戦（鎌ケ谷）が１軍昇格への最終テストとなる。

　１２日の同ロッテ戦（鎌ケ谷）は５回８安打３失点。一夜明けたこの日は「多少、右肩に張りはあるが問題ない。感覚を戻すよりレベルアップしたい。１００球以内で９回を投げられるのが理想」。プロ初の完投へ、ダッシュなどで下半身強化に励んだ。「今は球宴より１軍に復帰すること」。夢舞台の前に、斎藤にはハッキリとした目標がある。