走り出した星野野球…聖沢&内村で6盗塁

[ 2011年2月13日 06:00 ]

<楽天紅白戦>6回表2死一塁、一走の内村がこの日3つめの二塁盗塁を決める

楽天紅白戦 紅組13―0白組

(2月12日 久米島)
 積極走塁を掲げる「星野楽天」の攻撃がベールを脱いだ。今キャンプ初の紅白戦が行われ、紅組の1、2番コンビを組んだ聖沢と内村がともに3盗塁と走りまくった。星野監督が目標に掲げるチーム盗塁数3倍増へ、確かな一歩を踏み出した。

 実戦に入って闘将モードに突入した指揮官も、俊足コンビの走塁には笑顔を隠せなかった。「積極的な走塁がモットー。これをチームの売りにしたい。他に売るものがないからね。楽天市場なら、いっぱいあるけど」。失敗を恐れずに次の塁を狙う姿勢に満足し、冗談も飛び出すほどだった。

 しかも、6盗塁の内訳は、初球スチールが4度で2球目が2度。昨季には見られなかった積極走塁だ。首脳陣は試合前に「できるだけ2球目までに盗塁するように」と明確に指示していたが、それを実践した。

 ブラウン前監督が指揮した昨季のチーム盗塁数はリーグ5位の78。盗塁はサインで決められ、制限があった。しかし、最下位低迷の最大の要因となった得点力不足を解消するため、星野監督が掲げたのは「盗塁を3倍にする」こと。聖沢、内村、鉄平らの俊足選手には、自分の判断でスタートを切っていい「グリーンライト」を与える考えだ。

 チーム方針の変化を俊足コンビも歓迎する。昨季チームトップの24盗塁をマークした聖沢が「去年の盗塁数は物足りない」と話せば、10盗塁の内村も「盗塁の考え方が変わった。塁に出たいという意識も強くなった」。この試合で、聖沢は初回に失敗したディレードスチールを7回に成功。「警戒されると意表を突く盗塁も必要となる」と目指すところは高い。内村も腕を下げるリードを取る方法と膝に手を置く2種類を試し、盗塁に貪欲な姿勢を見せた。

 1番打者候補には、新加入の松井稼もいる。星野監督は「みんながそろった時、どんなバリエーションができるか楽しみ」とイメージを膨らませる。積極走塁で巻き返しを図る楽天が、初の実戦で好スタートを切った。

 ▼オリックス・依田スコアラー 今年は盗塁を警戒しないと。星野さんでチームが変わったのは事実。機動力に意識を置いたチームになった。

 ▼西武・根本スコアラー 今年の楽天は走ってくるという思いでマークしたい。松井稼もまだ走れるし、3人走れる選手がいるから怖いですね。

 ▼ソフトバンク・高島スコアラー 足を使ったいやらしい野球をやってくる。星野監督の目指す野球が明確に見えました。

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