唯一の不安材料…クルーン“開幕テスト”

[ 2010年3月16日 06:00 ]

ブルペンで藤井の真似をして笑いを取るクルーン

 巨人のマーク・クルーン投手(36)が16日から1軍に合流する。17日のオープン戦、広島戦(東京ドーム)で約4カ月ぶりの実戦登板も決定。昨年12月に右ひじ遊離骨の除去手術を受けて以来、別メニューで調整が続いていた守護神にとっては開幕1軍テストとなる。日本一連覇に向けて順調に調整が進むチームにあって、唯一の不安は救援陣。クルーンの復帰は投手起用に大きな影響を及ぼすだけに、その結果に注目が集まる。

 ほとばしる興奮を抑えきれなかった。クルーンは室内練習場ブルペンで49球の熱投。ジャイアンツ球場では約80メートルの遠投を終えると、いきなり左翼から助走をつけて無人の一塁ベンチへノーバウンドで矢のような送球。1軍合流が決まった守護神は野性味まで取り戻した。
 「みんなと会えるのを楽しみにしている。17日は安打を打たれても仕方ないが質の良い球、ストライクを取ることを考えたい」
 実質開幕1軍テストとなる17日の実戦初登板に向けて意気込んだ右腕。昨年12月に手術した右ひじはまだ万全ではない。12日のシート打撃は最速147キロを計測したが、実戦から遠ざかっていることから「最初は2軍の試合で投げたい」と慎重だった。しかし、オープン戦では小林、マイケルら救援陣の内容がいまひとつ。開幕ダッシュを目指すチームにとって、唯一とも言える不安が露呈している状況だけに自身の希望を撤回した。
 この日、斎藤、香田両投手コーチと10分以上話し合った末、17日の広島戦(東京ドーム)の登板を決めた。斎藤投手コーチも「1イニング投げてから、(開幕1軍を)判断したい。まだ本来の腕の振りではないが、試合で投げれば不安はどんどんなくなると思う」と見切り発車を認めながらも、期待を寄せた。
 復活には万策を尽くしている。宮崎キャンプ第4クールからひじの関節に負荷を掛けず、周囲の筋肉を鍛えるため自身初の加圧トレーニングを導入。ブルペンで投球後、両腕、両ひざをチューブでしばり、重さ1~2キロのダンベルを両手に歯を食いしばって持ち上げた。「ツカレタ…」と倒れ込むのは日常茶飯事。すべては復活のためだ。自身も今年が契約最終年。クルーンがチームの救世主になるべく、マウンドで躍動する。

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2010年3月16日のニュース