岩村、19勝左腕サバシア撃ち“新装1号”

[ 2010年3月16日 06:00 ]

 【パイレーツ10―5ヤンキース】新天地、そして新打法での初アーチだ。今季からパイレーツに移籍した岩村が、ヤンキース戦に2番・二塁で出場。4回に先制ソロを放った。昨年19勝の左腕・サバシアが外角寄りに投じたスライダーを強振。高い弧を描いた打球は、左中間最深部へ吸い込まれた。

 「いいスピンがかけられました」。逆方向への長打力には元から定評があるが、この日の一発は岩村が思い描いた通りの打球だった。今年から取り組んでいる打撃改造。グリップの位置を高くし、左耳のやや上へ。そこから叩き付けるようにバットを振り下ろす。ボールに逆回転のスピンをかけることで、より飛距離を伸ばそうとの考えだ。
 「長打力があるということを相手に思わせるだけでも、全然違いますから」。ヤクルト時代の04年にはシーズン44本塁打。しかしメジャー移籍後は3年間で計14本塁打と、位置づけはあくまで中距離打者だ。相手投手に「一発もある…」と神経を使わせれば、それだけ失投を誘う可能性も増える。さらに本塁打を増やすことで、岩村は下位に低迷するチームに勢いを呼び込もうとしている。
 「まだ、10打席ちょっとしか立っていない。とにかく、どんどんいろんな球を見ていかないと」。3打席目は粘って四球を選んだ。新打法の完成へ、岩村はわずかな時間も無駄にしない。

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2010年3月16日のニュース