ソフトB開幕絶望的右腕が20歳に“エース哲学”たたき込む

[ 2010年1月21日 10:29 ]

米アリゾナでの自主トレ中に苦悶の表情を浮かべる斉藤

 ソフトバンクの斉藤和巳投手(32)が、米国アリゾナ州フェニックスでの自主トレで“臨時投手コーチ”に就任した。08年1月に手術した右肩の回復は一進一退で、3月20日の開幕戦(対日本ハム、札幌ドーム)は絶望的。少しでもチームに貢献したいと3年目の岩崎翔投手(20)を開幕ローテへ送り込むべく“エースの哲学”をたたき込んでいる。

 斉藤がブルペンに入った。ただ、立ち位置はいつもと逆。捕手として岩崎の球を受けた。「球威?全然。(記者は)目が慣れていないから、今はよく見えるんですよ。チームは期待しているんだからね」。斉藤は辛口で岩崎のピッチングを評価したが、それはすべて期待の裏返しだ。
 全力で投げたい。今はかなわない思いを指導に注いでいる。「球が見やすい。これは致命的。若いので上(半身)を使いたい気持ちは分かるけど、それをどう我慢できるか。やればキャンプにもすんなり入れる。初日からバンバン行かなければならない選手だから」と斉藤。左肩の開きを矯正させるなど、熱血指導は投手コーチのそれだ。
 「先は見えない。見えないものを見ようとしても仕方がない」。自分自身は長いトンネルの中でもがく。だが、今は黙ってチームのため、若タカを一人前に育てる。

続きを表示

2010年1月21日のニュース