巨人、日本一の“原動力”は日替わりヒーロー

[ 2009年11月9日 17:05 ]

 第5戦のサヨナラ本塁打などMVPを獲得した阿部の活躍は確かに突出していた。ただ、勝利した4試合それぞれに「打のヒーロー」がいたことを見逃してはならない。原監督の「(日本ハムより)一枚上の力があった。接戦、投手戦、空中戦とあったが、巨人がやや上回った」との言葉がすべてを物語る。

 第1戦は坂本が持ち前の積極性を発揮し、勝ち越しの2点二塁打。第3戦では小笠原がソロ本塁打と2点二塁打。過去2度の日本シリーズでは不本意な成績に終わっていた主砲が2本の勝ち越し打で存在感を示した。
 王手をかけた第5戦でも9回、亀井が同点ソロを放ち、阿部の劇的弾を引き出している。直前の8回には代走・鈴木が二盗に成功。失策も誘って三進した後、切り札・大道が同点打とそつのない攻めを見せた。第6戦は亀井、松本がすきを突く走塁で得点につなげてもいる。
 日替わりで立役者が登場し、89勝を挙げてリーグ3連覇を果たした巨人。「3割、30本塁打、100打点」を達成した小笠原、ラミレスの両主砲だけに頼らない打線は、短期決戦でも地力を存分に発揮した。
 原監督には「選手それぞれのコンディションが優れていることが昨年との大きな違い」との手応えがあった。控えの層の厚さも印象的。独走したレギュラーシーズンそのままの総合力を見せつけた日本一だった。

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2009年11月9日のニュース