楽天“公約違反”で日本シリーズ地元開催できない!?

[ 2009年11月9日 06:00 ]

 楽天が来季以降の本拠地日本シリーズ開催権を“はく奪”される可能性が出てきた。

 Kスタ宮城の座席数が少ないことで、シリーズ出場球団に分配される収益金が大幅に減る可能性があるためで、11日の実行委員会で同球場の座席増設を求める声が上がりそうだ。
 3万人以上の集客が可能な他球団本拠地に比べて、Kスタ宮城は2万2078人と極端に少ない。CS第2ステージ期間中、日本シリーズ進出の可能性があった楽天に、4万人を収容する札幌ドームとの収益差が1試合につき約1億円もあることをNPB関係者が指摘。楽天側は「1席の値段を上げ、札幌ドームで見込める収益に追いつかせる」と回答していた。
 今年は野村監督人気もあって“割高チケット”でもさばけた可能性はあったが、野村監督がユニホームを脱いだ来季以降は売れるという保証はない。04年オフに新規参入した際、楽天は「数年後に本拠地の座席を2万8000にする」と公約していたが実現していない。ある球界関係者は「このまま座席を増やさなければ別の球場で開催という事態になりかねない」と危ぐする。かつて同球場を本拠地にしていたロッテは、同様の問題で74年日本シリーズは後楽園球場を使用した。ブラウン新監督を迎えるチームにとって、大一番を地元で開催できない事態だけは避けなければならない。

 ◆野球協約の日本シリーズ規定第15条では試合収入の分配として、最初の4試合の入場料収入金から共通の経費を控除した額の16・8%が勝利チーム、同11・2%が敗戦チームの出場選手、監督、コーチに分配。48%が出場球団に折半して分配。24%が機構の資金となるとされている。5戦目以降は入場料収入金の63%が両球団折半による分配、37%が機構資金となる。

 ◆クリネックススタジアム宮城 1950年に開場。ロッテが73年に準フランチャイズ、74~77年はフランチャイズ球場として使用。当時収容人員は2万8000人と発表されていたが04年10月、NPBの視察調査で実際は2万2906人と訂正された。04年の参入時、楽天は約30億円をかけて収容人員2万3000人、両翼101・5メートル、中堅122メートルに改修工事した。収容人員は07年オフに2万2187人に修正。さらに08年オフの再改修で現在は2万2078人となっている。

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2009年11月9日のニュース