不吉なデータの初黒星…松井秀が断ち切らねば!

[ 2009年10月21日 06:00 ]

<エンゼルス・ヤンキース>5回、三振に倒れた松井秀喜

 ヤンキースが19日(日本時間20日)、米カリフォルニア州のアナハイムで行われたエンゼルスとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦で今ポストシーズン初黒星を喫し、地区シリーズ初戦からの連勝は5で止まった。一時は3―0とリードしながら、延長11回サヨナラ負け。同シリーズでヤ軍が3点差以上をつけた試合は30勝0敗だったが、小刻みな継投策が最後に乱れた。松井秀喜外野手(35)は1安打2四球と3出塁も得点にはつながらず、20日(同21日)の第4戦の必勝を誓った。

 【ヤンキース4―5エンゼルス】しぶとさと長打力。今季のヤ軍快進撃を象徴する2つの持ち味を発揮しながら敗れた。8回にポサダの両軍合わせてア・リーグ優勝決定シリーズ記録に並ぶこの試合6本目の本塁打で追い付き、10回は無死一、三塁と絶体絶命のピンチに守護神リベラを投入してしのいだ。しかし、11回2死無走者から、代わったアセベスが1人目に中前打され、続くマシスにサヨナラ二塁打を浴びた。
 「打者との相性を見て代えたがうまくいかなかった」とジラルディ監督。11回から登板し、打者2人を打ち取ったロバートソンをわずか11球で降板させ、同じ右腕のアセベスを送ったが、裏目に出た。8投手による小刻みな継投もメジャー2年目の右腕には荷が重かった。チーム本塁打(244)、逆転勝利数(51)、サヨナラ勝ち(15)の3部門で両リーグトップだったヤ軍だが、敵地で完全にお株を奪われた。
 ポストシーズン初黒星。依然2勝1敗と有利な状況だが、不吉なデータもある。5回の攻撃を終えて3―0からの逆転負け。同シリーズに限れば、3点差以上つけた試合は30戦全勝で、76年のロイヤルズとの第5戦を最後に追い付かれたこともなかった。さらに、ポストシーズンのサヨナラ負けは、04年レッドソックスとの同シリーズ第5戦以来。その時は2試合連続延長サヨナラ負けで流れを奪われ、大リーグ史上初の3連勝4連敗という屈辱的敗退を喫した。
 その苦い経験を知る松井は「とにかくこの負けをここで断ち切ること。あす、しっかり戦って勝てるように。それだけ」と第4戦の重要性を強調した。この日は2回の右前打で4試合連続安打とし、2四球を選んだ。8回に代走を送られ退いたが「内容は悪くない」と今シリーズの打率を両軍トップの・444に上げた。第4戦の先発は対戦打率・179の天敵左腕カズミアー。シリーズの行方を占う一戦に向け、気持ちを切り替えた。

 ▼ヤ軍のリーグ優勝決定シリーズでの前回サヨナラ負け 04年10月18日、レッドソックスとの第5戦。延長14回2死一、二塁から、オルティスがヤ軍の7番手ロアイザから右前に劇打を放った。17日の第4戦も延長12回、オルティスのサヨナラ2ランで敗戦。ヤ軍はこの年、7回戦制のポストシーズンでは大リーグ史上初となる3連勝後の4連敗という屈辱を味わった。

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2009年10月21日のニュース