ヤクルト非常事態…高田監督「いる人でやるしかない」

[ 2009年10月19日 06:00 ]

<中・ヤ>インフルエンザ対策としてマスクをする高田監督

 【ヤクルト2―3中日】ヤクルトが大一番を前にインフルエンザ禍に見舞われた。18日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ第2戦で中日に敗れ、1勝1敗。19日の第3戦に先発予定だった高木啓充投手(26)ら3選手が試合前にインフルエンザA型と診断されたのに続き、試合後は本塁打を放った川本良平捕手(27)も発熱。さらなる感染拡大が懸念される中、運命の一戦に臨む。

 “敵”は中日だけではなかった。接戦を落として1勝1敗。球団初のCSという大舞台でインフルエンザ禍に見舞われた高田監督は「こればかりはどうしようもない。きょう(18日)は何とかしのいだが、あした(19日)も何人か出たら…」と深刻な表情を見せた。
 試合前に3選手がインフルエンザA型に感染したことが判明した。球団側はマスクの配布、うがい薬の設置など予防に努めていたが、第3戦で先発予定だった高木、今季5勝を挙げたユウキの先発2人に加え、一、二塁をこなす俊足の野口が離脱。動揺したまま試合に臨んだチームは守備のミスを連発し、攻撃面でも3併殺と精彩を欠いた。
 さらに試合後、この試合で2回に1号2ランを放った川本と衣川が発熱。衣川は検査の結果、陰性と判断されたが、9月末に左脇腹を肉離れした相川に代わってマスクをかぶってきた川本はインフルエンザA型と判明した。選手には外出禁止令が出され、宿舎の裏口はホテル側の協力を得て完全ロック。感染防止のマスク着用があらためて義務付けられた。高田監督は第3戦に向け、フェニックスリーグ(宮崎)に参加中の2軍から野手、捕手の計2人を招集する予定。先発は1軍帯同中の由規が代役で先発し、左脇腹肉離れが完治していない相川とバッテリーを組む見通しだ。
 ヤクルトは今季、前半戦の貯金最大14から8月以降に大失速。一時は5位に転落した上に、故障者が続出するという苦難を乗り越えてCS出場をつかんだが、ここに来て再び緊急事態に直面するとは…。高田監督は「厳しい状況を乗りきってきたのだから、今回も大丈夫。いる人でやるしかない」と前を向いたが、その試練はあまりにも厳しい。

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2009年10月19日のニュース