A・ロッド止まらん!ヤンキース無傷の5連勝

[ 2009年10月19日 06:00 ]

<ヤンキース・エンジェルス>延長13回1死一、二塁、メルキー・カブレラのゴロをメイサー・イズタリスがサヨナラ失策し、大喜びの松井秀喜(右端)らヤンキースナイン

 【ヤンキース4―3エンゼルス】ヤンキースは17日(日本時間18日)、エンゼルスとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦で延長13回、5時間10分にわたる死闘をサヨナラ勝ちで制し2連勝を飾った。1点を勝ち越された11回にアレックス・ロドリゲス内野手(34)が起死回生の同点弾。最後は相手の失策の間にサヨナラの走者が生還した。これで今ポストシーズンは世界一に輝いた1999年以来10年ぶりの開幕から無傷の5連勝となった。

 時計の針は日をまたいで、午前1時7分を指していた。3―3で迎えた13回1死一、二塁。カブレラのゴロを捕った二塁手イズタリスは併殺を焦り、二塁への送球がそれた。カバーした三塁手も球をつかみ損ね、二塁走者のヘアーストンが一気に本塁を陥れた。
 「いつかこんな舞台で輝きたいと思っていた。夢がかなった気分だ」
 好判断のヘアーストンは、先発したバーネットから恒例の“顔面パイ”の祝福を受け興奮を隠せなかった。メジャー12年目ながら、今季がポストシーズン初出場となった33歳の苦労人。この回、先頭で代打で中前打で出塁すると、この試合最後の出場選手となった男が試合を決めた。ヤ軍が送った計21選手、また両軍出場計38選手はア・リーグ優勝決定シリーズ新記録という総力戦だった。
 雨と寒さの中、5時間10分の死闘を演出したのは4番の一撃だった。1点を勝ち越された11回、ロドリゲスが抑えのフエンテスから右越えへ同点ソロ。9日のツインズとの地区シリーズ第2戦の9回に同点2ラン、10日の同第3戦でも7回に同点ソロを放っており、今ポストシーズンで早くも3本目の同点弾だ。
 05~07年の地区シリーズでは通算打率・159、1本塁打、1打点と極度の不振で勝負弱さを指摘された。“逆ポストシーズン男”とまで揶揄(やゆ)された主砲は「多くを求めず、シンプルに考えるようになっただけだよ。最高の試合になった」と意識改革を変身の理由に挙げた。
 ポストシーズン開幕から無傷の5連勝は99年以来10年ぶりで、前回は世界一まで突っ走った。「(ロドリゲスは)ちょっと信じられない活躍だ。両軍ミスが出たけど、最後にうちにうまく転んでくれた」とジラルディ監督。ホームで連勝という最高の形で勢いをつけ、ナインは西海岸へのフライトに向かった。

 <エンゼルス2連敗…拙攻、拙守>エンゼルスは前日に続き大事な場面での失策で2連敗。ソーシア監督は「1アウトでいい場面で、多くを望みすぎた」と併殺を焦ったイズタリスの悪送球を渋い表情で振り返った。攻撃も得点圏で15打数3安打で「要所で一打が出ない。改善しないと」と拙守に加え、つながらない打線を敗因に挙げた。19日からは本拠地での戦い。「きょうの試合の中でもいいプレーはたくさんあった。本拠地に戻り、ムードを一変させたい」と最後は前を向きアナハイムへ向かった。(小林由加通信員)

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2009年10月19日のニュース