法大 14年ぶり頂点!積極采配実った

[ 2009年6月15日 06:00 ]

<富士大・法大>優勝を決めマウンドの二神(中央)に集まり抱き合う法大ナイン

 【法大5―1富士大】全日本大学野球選手権最終日は14日、神宮球場で行われ、法大が14年ぶり8度目の優勝を飾り、通算優勝回数の歴代最多記録を更新した。1―1の9回に代打・大八木誠也(4年)の右中間二塁打などで4点を奪い勝ち越すと、最後は4連投のエース二神一人(4年)が締めて逃げ切った。今大会3勝を挙げた二神は最高殊勲選手賞と最優秀投手賞の二冠を獲得した。初めて決勝に進んだ富士大は最後に力尽きた。

【試合結果


 多数のOBが駆けつけたスタンドからも「ワッショイ」の掛け声が飛ぶ。「本当にうれしい。選手に感謝します」。金光監督は万感の思いで宙を舞った。
 14年ぶりの頂点をつかみ取ったのは、今季を象徴する積極采配だった。1―1の9回無死一、二塁。5番・佐々木が初球のバントをファウルすると、すかさず代打・大八木を告げた。2球目。相手のバントシフトをあざ笑うように、大八木はバントの構えからバスターに切り替え、右中間を破る決勝の2点適時二塁打を放った。「堅くいっても点が取れないなら大八木に思い切っていかせようと」と明かした。
 03年の就任以来、1―0で勝つ守りの野球を標ぼうしてきた。しかし結果が出ず、今季は攻撃野球にシフト。1年生の3番・多木は今大会4失策を犯したが、我慢して使い続け、首位打者を獲得した。04年には厳しい指導に嫌気をさした選手が練習をボイコットする一幕もあったが、今はコミュニケーションを重視し、選手に冗談も飛ばす。「この優勝が始まりです」。現役時代には怪物・江川とともに黄金時代を築いた金光監督は、法大復活を高らかに宣言した。

 ≪富士大 力尽きた…エース守安5失点≫エースの守安が最後に力尽きた。7回まで1安打無失点と好投も、8回に1点を失うと、9回は4連打を浴びて4失点。「きょうで最後だったので、行けるところまで行こうと思った。最後に点を取られて残念です」と肩を落とした。9日の初戦から決勝を含む全5試合に登板し、4試合で完投した。4連投となったこの日は、初回こそ直球が140キロを記録したが、中盤以降は130キロを超えるのがやっと。岩手・宮城内陸地震から、ちょうど1年となった決勝戦で「少しでも勇気を与えられるように」と力投したが、疲労は隠せなかった。
 それでも、北東北大学リーグ初の決勝進出で大会最多優勝を誇る法大を十分に苦しめた。母校との対戦となった青木監督も「選手には本当に感謝している。チーム一丸となって健闘した」と笑顔で称えていた。

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2009年6月15日のニュース