「野村1500勝!」マー君でっかいプレゼント!

[ 2009年4月30日 06:00 ]

<楽・日>4試合連続完投勝利の田中将大(左)は、野村克也監督に記念のウイニングボールを手渡す

 野村監督、おめでとうございます!楽天は29日、田中将大投手(20)が11三振を奪う力投で日本ハム打線を4安打1失点に抑え、開幕4連勝。93年のロッテ・小宮山、オリックス・長谷川(本紙評論家)以来16年ぶりとなる開幕から4試合連続完投勝利を挙げた。チームは再び首位タイに浮上。20歳右腕が野村克也監督(73)に史上5人目となる監督通算1500勝をプレゼントした。

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 【楽天2―1日本ハム】礼儀正しく帽子を取って一礼し、野村監督に記念のウイニングボールを差し出した。16年ぶりの開幕4戦連続完投勝利。今季、田中だけが続けている4度目の勝利の儀式。頼もしそうに笑ったのは野村監督だけじゃない。今季最多2万381人が集まった仙台のファンもタフネス右腕への信頼と期待の拍手を送った。
 「自分の連続完投は意識していませんでした。きょうは監督の1500勝のために投げました。できれば自分の手で渡したかったので、自分の手で渡すことができて良かったです」
 大切な試合と分かっていた。それでもマウンドに上がれば意識するのは相手の打者だけだった。早打ちで仕掛けてきた日本ハム打線を逆手に取り、序盤は初球から厳しいコースを突いて打ち取った。「向こうが早打ちしてくれた。追い込まれてからの球を意識させられているのかなというのはある」。だが、打順が3巡目となり相手打線が大事に来た後半は一転、ギアチェンジした。丁寧な投球で今度はしっかり追い込んで打ち取った。11奪三振のうち4回までの3三振が、5回以降は毎回の8三振。打者を観察しながらゲームを支配する“勝てる投手”の投球で自身初の4連勝を、16年ぶりの開幕から4連続完投勝利で飾った。
 記念球を手渡された野村監督も孝行息子を大絶賛だ。「安定感が出てきて堂々たるピッチングができるようになった。球威に増してコントロールが良くなった。本当のエースと言っていいんじゃないの」。楽天監督就任1年目の06年オフのドラフト1巡目で入団。「何か縁がある。ドラフトで当たったときはカード(交渉権確定の紙)に“縁”と書いて渡したんや。彼とは縁が深い」と話す指揮官に田中も「僕もいろんなところで感じた。プロ野球に入って野村監督でよかったと思っているし、それはこれから先も変わらないと思う」と答えた。
 ほぼ完ぺきな4連勝でも田中に慢心はない。「どんどん進化していかないとだめだと思う。完ぺきになったとしても、その上をずっと目指す。究極を求めていくものだと思う」。飛躍の3年目。好スタートを切った20歳の右腕の進化はとどまるところを知らない。

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2009年4月30日のニュース