坂本ついにセ首位打者!猛打賞で4割超え

[ 2009年4月27日 06:00 ]

<巨・中>第4打席、9回無死、中前打を放つ坂本勇人

 【巨人0―8中日】ついに4割超えだ。巨人の坂本勇人内野手(20)が26日、今季4度目の3安打猛打賞で打率を・405に上げ、セ・リーグの打率トップに躍り出た。試合は投手陣の乱調に、打線も今季初の無得点に終わって大敗を喫したが、貯金は8で首位を独走中。この日、6番に打順を上げたプロ3年生がリーグ3連覇、7年ぶりの日本一奪回へ向けてチームをけん引していく。

【試合結果
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 スコアボードをチラリと見ただけで表情に変化はない。先頭で打席に入った9回。この日、3度目となる「H」のマークを点灯させた。常に勝利に貢献する安打を目指している坂本にとってスコアが0―8では喜べる1本ではなかったが、これで打率は・405に上昇。日曜日のデーゲームで詰め掛けたファンにとっては、お土産となる“安打量産ショー”だった。
 2回にカウント1―1から高めのスライダーを中前へ。初球のカーブは力んで空振りしただけに、意識を中堅方向に切り替えて7試合連続の安打を記録した。4回は1死一塁で24日の同戦から5打数連続安打となる左前打。9回はネルソンの球威ある高めの直球に振り負けることなく中前打を放った。開幕から20試合で無安打は3試合だけ。猛打賞は実に4度目だ。
 高卒2年目の昨季は全試合で先発出場。今季は開幕から安打を量産しているが、プロ3年目にして危機意識は高い。昨年も4月までは打率3割前後だったが、5、6月は相手の内角攻めと疲労が重なり、打率は2割台前半まで急落。それだけに「打率がこのままいくわけがない。調子が悪くなった時にどうするか」と気を引き締めている。前日のフリー打撃ではバスターを行ってトップの位置を確認。「タイミングの取り方、ボールの呼び込み方が自分に似てる」と分析する谷ら、年齢が一回り以上の先輩にも積極的にアドバイスを求めて“肥やし”にしている。
 開幕から7、8番を務めていたが、今季初めて6番に起用されて3安打。伊原ヘッドコーチが「チームで一番当たっている」と話せば、篠塚打撃コーチも「頼りがいがあるよ」と評価した。試合に大敗しただけに原監督は「坂本が打率4割?140試合目ぐらいで、いい位置にいればいいけどね」と突き放すような言葉を送ったが、目尻は下がっていた。
 気が早い話だが、仮に首位打者となれば巨人の右打者では71年の長嶋(現終身名誉監督)以来38年ぶり。寮の自室には昨年のキャンプ中に撮影したミスターとのツーショット写真がある。この日、唯一、感情が顔に出たのは6回1死一、三塁で右飛に倒れた場面。3本を打った喜びより、チャンスで打てなかった悔しさが上回る。坂本が成長を続けている理由だ。

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2009年4月27日のニュース