侍ジャパンに誤算!黒田がWBC辞退

[ 2008年12月21日 06:00 ]

笑顔でブルーハワイアンを飲み干す巨人・原辰徳監督だったが…

 侍ジャパンに暗雲。来年3月に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表を率いる巨人・原辰徳監督(50)は19日(日本時間20日)、第1次候補34人に選ばれていたドジャース・黒田博樹投手(33)が調整上の理由で辞退したことを明らかにした。“第4の先発”として期待されていただけに、大きな誤算。追加招集はしない方針で、今後は先発陣の再編成を余儀なくされることになった。

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 優勝旅行中の原監督に残念な知らせが入ったのは18日。黒田から電話で「WBCのために調整を続けていたけど、メジャーの開幕に合わせてメニューを組み直したい」との申し出があった。代表候補選出の際は本人の意思を尊重する姿勢を貫いている指揮官は「来季はいいシーズンを祈っている」と返答。「黒田」の名前が34人の日本代表第1次候補から消えた。

 メジャー1年目の黒田は今季9勝(10敗)を挙げ、ポストシーズンでも2戦2勝。豊富な経験に加え、メジャーの打者の特徴や球場の特性なども熟知しており、松坂(レッドソックス)とともに投手陣の中心的役割を期待されていた。

 原監督は辞退の理由について多くを語らなかったが「時間がタイトだということ。調整上の理由?そうです」と明言した。黒田は6月に右肩腱炎で約3週間故障者リスト入り。シーズン中は違和感を抱えたままの投球が続き、今オフも疲労が取れずに現在はロサンゼルスで体のケアに専念している。06年の前回WBCは大会直前の壮行試合で右手に打球を受け、無念の欠場。今大会に懸ける思いが強い一方で、日の丸を背負う責任も十分に分かっており「中途半端な状態で出場して周囲に迷惑はかけられない」と辞退を申し出た。

 名球会行事でハワイに滞在中の日本代表・山田投手コーチは「リリーフもできる投手。非常に残念」と落胆。すでに同コーチは先発3本柱に松坂、ダルビッシュ、岩隈を指名し、黒田は最大4試合となる東京ラウンドの4番手を想定していた。投手は15人に減ったが「現時点では補充しないと考えている」とした。

 中日の辞退者続出に続く、メジャー右腕の辞退。原監督は「(黒田は)日本代表を真しに考えてくれていたし、結果はこうなったけど、満足している」と話したが、ハワイでのバカンスモードは一気に冷めた。

 ≪長谷川C事務局長「仕方ない」≫ドジャース黒田の辞退について、長谷川コミッショナー事務局長は「彼のメジャー経験と広島時代の実績から、出られるものなら出てほしかった。ただ、意思確認の段階で万全でないと聞いていたので、こういうこと(辞退)は折り込み済み。残念だが、仕方ない」と話した。黒田サイドからは、この日に辞退したい旨の連絡があったそうで、出場承諾書は出ていなかった。

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2008年12月21日のニュース