バレンタイン監督は事実上の解任 主導権争い背景に

[ 2008年12月21日 18:32 ]

 バレンタイン監督が2010年以降の長期契約を望んでいたことを考えると、事実上の解任に等しかった。そこに至る過程では、球団の二つの思惑が推進力になっていた。

 一つは高額な年俸。確かにバレンタイン監督はロッテを人気、実力ともリーグ屈指の球団に育てた。だが、近年は停滞感も出てきた。長年巨額の赤字に苦しみ、折からの景気悪化で、費用対効果にはシビアにならざるを得なくなった。

 もう一つは主導権争いだ。3年前にアジア一に輝いたことで、指揮官の力はグラウンド外に及んだ。今季途中には早くも契約延長を求め、12月には球団を通さずに韓国人選手の身分照会をしたことにも端的に表れていた。対応には手を焼いてきただけに、瀬戸山社長の「現在進行形の外国人(獲得交渉)も、こちらで引き継ぐ」との言葉は、勝利宣言にも聞こえた。

 球団は、今回の通告をバレンタイン監督が別件で来日したこの機に合わせたが、もともと年明けに渡米して書面で伝える段取りだった。いずれにしてもシーズン前で、間違いなく2009年を戦うチームへの悪影響はある。それでも踏み切った球団には、経営への危機感と指揮官に引導を渡す強固な意志がうかがえた。

続きを表示

2008年12月21日のニュース