ボビー反論!球団側は“特権”はく奪も

[ 2008年12月21日 06:00 ]

千葉市内の球団事務所を電撃訪問したバレンタイン監督

 ロッテのボビー・バレンタイン監督(58)が20日、本紙の取材に対して自らの正当性を強く訴え、球団内にある自身への非難の声に反論した。今回、球団側と韓国の金東柱(キム・ドンジュ)内野手(32=斗山)の獲得をめぐって対立。19日に緊急来日した同監督はこの日、千葉市内の球団事務所を電撃訪問。球団幹部とはニアミスに終わったが、21日に直接会談することを明言した。

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 じっとしてはいられなかった。緊急来日から一夜明けたバレンタイン監督は自らの潔白を声高らかに訴えた。

 「なぜ怒られるのか分からない。瀬戸山社長が右打者を必要としており、金東柱に興味があると発言していたことが頭にあった。話をして身分照会しただけで交渉はしていない」と自身の正当性を繰り返し強調した。

 同監督は今回の再来日の理由を「来季の補強について話し合う」としたが実情は違う。球団側は、米国でのウインターミーティングで金東柱の代理人と接触し、球団に報告することなく同行した渉外担当に身分照会の手続きを指示した指揮官に激怒。釈明する必要があったのだが、それについても「ウインターミーティングは自分がオフの期間。チームを思ってオフの間に仕事をしている監督は他にいますか?」として自らの勤勉ぶりも猛アピールした。指揮官に気付いたファンが殺到すると、サインや写真撮影に快く応じて「こんなに自分は愛されているし、私もマリーンズのファンが大好きなんだ」と力説。そのうえで21日に瀬戸山社長ら球団幹部と直接会談することも明かした。

 一方、千葉市内のイベントに出席した瀬戸山社長は「今イメージしていることはあるが、監督と話してからの方がいい。それが礼儀というかルール。報告することがあればその時に」と話すにとどめた。ただ、球団側として外国人補強についてこれまでは指揮官に一任していたが、報告もないまま交渉を進める姿勢を容認するわけにはいかない。今後については“特権”をはく奪する可能性が高い。

 バレンタイン監督は来季が4年契約の最終年。今シーズン中には退団の可能性を示唆して、契約再延長へ“揺さぶり”をかけた。そんな指揮官側の態度に球団側も態度を硬化。契約延長については繰り返し白紙を強調してきた。感情的な対立が残っている中で噴出した今回の騒動。21日の直接会談で10年以降の契約について話題が及ぶことも予想され、そうなれば紛糾は必至だ。

 バレンタイン監督は愛車のBMWで球場を訪問。隣接する球団事務所にあいさつ後、メールチェックのため球場内の監督室にこもった。直後に瀬戸山社長が事務所に戻ったが「ボビーいるの?きょうは他に仕事があるから話はしません」とニアミスに終わった。注目の直接会談。内容次第では来季V奪回を目指すチーム構想そのものに大きな影響が及ぶ。

 ◆ボビーと一問一答
 ――きょうの予定は。
 「特にない。誰とも会う予定はない。球場でメールのチェックでもするつもり」
 ――いつ球団関係者と会うのか。
 「あすミーティングする。場所と時間は言えない」
 ――金東柱を獲得する可能性は。
 「それは彼の代理人に聞いた方がいい」
 ――今回はいつまで滞在する。
 「球団との話し合い次第。うまくいって月曜にでも帰国できたらいいね」

 ◆ロッテ瀬戸山社長に聞く
 ――監督との話し合いは。
 「2、3日中にやると思う。監督と話が終わった後に皆さん(報道陣)に報告することがあれば報告します」
 ――今回の来日は予定にあった?
 「全然(なかった)。理由?監督に聞いてもらわないと分からない」
 ――この時期の再来日は想定外?
 「そうですね」
 ――外国人補強についての話のようですが。
 「そういう話があるなら、それならそれで話しますよ」

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