大場抜けても東洋大 全員野球で“連覇”

[ 2008年6月16日 06:00 ]

<東洋大・東海大>優勝を決めた瞬間、抱き合って喜ぶ東洋大ナイン

 【東洋大7―5東海大】第57回全日本大学野球選手権最終日は15日、神宮球場で決勝を行い、東洋大が86年以来、22年ぶり2度目の頂点に立った。打線が14安打7点を奪う猛攻。粘る東海大を乾真大(2年)―上野大樹(4年)の継投で振り切った。東洋大は昨秋の明治神宮大会に続く全国制覇で、史上5校目となる“連覇”の偉業を達成した。最高殊勲選手には準決勝で決勝打を放つなど活躍した東洋大・中倉裕人外野手(4年)が選ばれた。

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 マウンドの上野を中心に歓喜の輪が広がった。22年ぶりの日本一。ナインの手で3度宙に舞った高橋監督は「若い子も4年生も頑張った。大場が抜けて苦しかったけど、夢のよう。選手がよく頑張った」と感無量の表情を浮かべた。
 同点に追いつかれた直後の7回1死一塁から、守備要員として途中出場の2年生・滝本が決勝三塁打。続く柘植(つげ)、こちらも途中出場の4年生の中前打などで3点を奪えば、最後は4年生右腕の上野が締めた。
 大黒柱・大場(ソフトバンク)が抜けた穴を“全員野球”で埋めた。引っ張ったのは今秋ドラフト上位候補の捕手で主将の大野だ。大場に頼りきりだった昨年から一転、今季は1年生から4年生まで6投手の持ち味を巧みに引き出した。決勝でも打っては2安打2打点。盗塁も2度阻止。大場を擁して準々決勝で敗退してから1年。大野は「大場さんがいなくても自分たちができるというところを見せたかった。最高です」と涙をこぼした。
 昨秋明治神宮大会に続く連続日本一。8日に60歳になったばかりの高橋監督は「生涯青春のつもり。今の選手たちでリーグ戦4連覇をやりたいね」。黄金時代を迎えた東洋大が光り輝いた。

 <東海大 もう準優勝イヤ>昨年に続く準優勝。準決勝で明大相手に大勝した勢いそのままに、2点を追う7回に一度は同点に追いついた。しかし、直後に今大会好調の小松崎を送り込んだが3失点の誤算。「力が入った。投げ急いだ」とうなだれる右腕に横井監督は「勝たせてあげたかった。監督の差です」と目を赤くした。7年ぶりの頂点を目前で逃した今秋ドラフト候補の遊撃手・岩崎も「もう準優勝はいいです…」と肩を落としていた。

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2008年6月16日のニュース