ズレータ 復活の2年ぶりサヨナラ打

[ 2008年6月16日 06:00 ]

<ロッテ・阪神>9回裏2死一塁、サヨナラタイムリーを放ったズレータ(中央下)は、福浦(左)から水をかけられ手荒い祝福を受ける

 【ロッテ10―9阪神】ロッテは7点差を追いつかれるドタバタの展開。最後に勝利をたぐり寄せたのはズレータのバットだ。9回2死一塁に代打で登場。カウント2―0から「待っていた」というスライダーを右中間へ運んだ。一塁走者のオーティズが本塁に滑り込むのを見届けると、二塁ベース上で両手を突き上げる。興奮してマウンド後方までやってきたバレンタイン監督に出迎えられ、助っ人は破顔一笑だ。

 「エキサイトしながら打席に入った。とにかくバットを思い切り振って、ボールを強く叩くことだけを考えたよ」
 ソフトバンク時代の06年7月27日ロッテ戦(ヤフードーム)以来、移籍後初のサヨナラ打。それは苦悩の末に生まれた快打だった。極度の打撃不振。2度も2軍落ちを経験し「今季はもうダメ。ずっと打てないかも…」と周囲に漏らすなど自信喪失気味だった。さらに試合前のフリー打撃で左手中指を打撲。泣きっ面にハチのスタメン落ちだったが、最後に最高の瞬間が待っていた。バレンタイン監督も「1打席でチームが一番望んだ結果を出してくれた。心臓?大丈夫。父の日に素晴らしいプレゼントをもらった」と興奮気味にまくしたてた。
 初回に2試合連続の6点奪取。それを追いつかれるなど「YFK」不在の救援陣に依然不安は残るが、借金8の最下位ながらセ界首位に連勝した意味は大きい。「シーズンが終わるまでに阪神ともう一度戦いたい」と指揮官。上位進出、そしてシリーズへ。ロッテはまだまだあきらめていない。

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2008年6月16日のニュース