巨大補強開花 ラミ決勝弾でクルーン締めた

[ 2008年4月10日 06:00 ]

<横浜・巨人>6回2死一塁、ラミレスは左越えに先制2ランを放つ

 【巨人4―1横浜】開幕戦以来のラミ弾で巨人が最下位を脱出した。アレックス・ラミレス外野手(33)が6回に0―0の均衡を破る決勝2号2ラン。10試合ぶりに飛び出た“4番1号”が沈滞ムードを吹き飛ばした。9回は守護神マーク・クルーン投手(35)が史上2人目となる12球団セーブで締め、チームは引き分けを挟んで今季初の連勝。開幕11試合目でようやく巨大戦力が勝利に直結した。

 重苦しい空気を“5億円バット”が吹き飛ばした。6回、左翼席に弾丸ライナーをぶち込んだラミレスは一塁手前で右手を掲げて満面の笑み。3月28日の開幕ヤクルト戦(神宮)以来10試合ぶりの2号2ランで、チームに今季初の連勝(1分け含む)をもたらした。
 5回まで打線はラミレスが初回に右前に放った1安打のみ。守備でもピンチの連続だった。沈滞ムードが漂っていた6回2死一塁。カウント1―1から那須野のスライダーを強振した。「2アウトでもあったからホームランを狙えるボールを待っていた。内海がいい投球をしていたから助けてやりたかったね」。昨季は右打者で史上初の200安打を放った最強助っ人は、狙い通りの弾道を描いてみせた。
 開幕から打撃不振の李スンヨプに代わって、4日の阪神戦(東京ドーム)で第74代4番に就任。だが、ラミレス自身も開幕戦に一発を放って以降は波に乗れず、チームも開幕ダッシュに失敗した。前日に続いて、この日も「渋滞もなくて時間が読めるから」と球団からのハイヤーの打診を断り、都内の自宅から電車で横浜に移動。負ければ単独最下位となる試合への準備も“ダイヤ通り”にこなして、初の4番弾につながった。
 9回は“3億円”の守護神・クルーンが登場。三塁・古城の失策などで1死一、二塁のピンチを招いたが最後は仁志を併殺打に仕留めた。MAX158キロを記録して古巣から今季2セーブ目を挙げ、81年の江夏以来、史上2人目の12球団セーブを達成。投打の助っ人が“額面通り”に仕事をこなしての勝利は、もちろん今季初だ。7回の攻撃では相手の失策に乗じて2点を奪うなど、4得点で単独5位に浮上。原監督は「投打の歯車がかみ合って前に進んだことに価値がある」とご満悦だ。
 三塁側で行われたヒーローインタビューでラミレスは「ミナサン、キテクレテ、アリガトウゴザイマシタ」と日本語でG党に感謝。最後は「そんなの関係ねぇ」を中心としたおなじみのギャグで盛り上げた。実はこの日、横浜駅で数人のファンに囲まれた助っ人は、なんとホームで“アイーン”。今後も規格外のサービス精神で、チームに明るさと白星をもたらす。

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2008年4月10日のニュース