緩急から一変 松坂、直球一辺倒で無失点

[ 2008年4月10日 06:00 ]

<レッドソックス・タイガース1>6回2/3を4安打無失点7奪三振の好投を見せ、2勝目を挙げた松坂

 【レッドソックス5―0タイガース】レッドソックスの松坂大輔投手(27)は8日(日本時間9日)、チームの本拠地開幕となったタイガース戦で6回2/3を4安打、7奪三振、無失点に抑え、2勝目を挙げた。試合前に行われた世界一セレモニーの異様な雰囲気の中で、8割近くを直球で押す力の投球を披露し、自身メジャー初めてとなるチームの連敗ストップを果たした。次回は13日(日本時間14日)、宿敵ヤンキース戦に先発する。

 試合後のクラブハウスで松坂は42個のダイヤがちりばめられた世界一リングを指にはめた。本拠地開幕投手で、試合前セレモニーに参加はできなかった。それでも1人でかみしめた喜びは格別なものがあった。
 「試合中にリングはロッカーに置かれていました。1度はめたけど、すごくかっこよかった。チーム状態が良くなかったし、絶対に勝ちたいと思ってマウンドに立った」
 強打者が並ぶタ軍打線を力でねじ伏せた。遅いスライダーを交えた緩急で勝負した1日のアスレチックス戦から一変、直球系を108球中83球投じた。「マウンドで変化球を待っていると分かった。いろんな投球スタイルを見せるということはいいこと」。力でも緩急でも勝負できる。硬いマウンドと滑るボールへの対応に追われた昨季とは違い、18・44メートル先にいる打者との対戦に集中できている。「昨年とは準備の段階で時間のかけ方が違う」と松坂。22奪三振は両リーグでトップ。被打率・131も10イニング以上投げた投手でリーグトップだ。
 昨年はチームが連敗で迎えた登板が4試合あったが全敗。メジャー初の連敗ストッパーとなった。「(腰痛で出遅れた)ベケットも負けたし何とかしたかった」。重圧のかかる3度の“開幕投手”で2勝0敗、防御率1・47。チームを支える自覚も松坂にはある。この日は試合前に世界一セレモニーが行われ、球場が異様な雰囲気に包まれた。試合開始時間も遅れたが集中力を持続させた。
 日本、カナダと長い遠征から戻り3月に誕生した長男を抱き上げた。「目が見えているか分からないけど、笑ってくれるんですよね」。家族と過ごす時間は、グラウンドでの充実を生んでいる。
 次回登板は13日のヤンキース戦。昨年は防御率6・12と打ち込まれたライバルだ。「もともと春先はエンジンのかかりが遅いですけど、良くない中でもしっかりゲームをつくろうと思っている」。まだ上昇できる。その手応えが右腕にはある。

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2008年4月10日のニュース