坂本 二岡復帰なら開幕二塁で

[ 2008年3月16日 06:00 ]

<西武・巨人>2回2死、左越えソロを放ちナインと笑顔でハイタッチをかわす巨人・坂本

 【巨人1―4西武】巨人の坂本勇人内野手(19)が15日、西武とのオープン戦の2回に今季チーム1号となる左中間ソロを放った。チームにとって練習試合を含む実戦13試合目、延べ437打席目での一発。昨年はイースタンで5本塁打を放ったプロ2年目の19歳が、強烈に長打力をアピールした。近日中に二岡が1軍に合流し開幕先発する場合でも、坂本は長打の打てる「大型二塁手」として開幕スタメンで出場することが濃厚となった。

 まさに無心で打った。2回2死、坂本は2―3から石井一が投じた6球目、内角に食い込む135キロに反応すると、思い切りのいいスイングで左中間席まで運んだ。ベンチ前で原監督と初のグータッチ。照れながらナインに出迎えられた。
 「打った瞬間は(入るか)分からなかった。途中で“ああ、入ったんだ”という感じでした。久々だったので気持ちよかった。(球種は)ストレートだと思います」。打ったのはカットボール。曲がったことに気付かないほど集中力は高まっていた。日米通算137勝を誇る石井一も「低めの難しいボール。なかなか打てない」とうなるしかなかった。
 自身の今季1号は、チームにとっても待望の一撃となった。2月23日の練習試合・西武戦から12試合にわたってチームはノーアーチが続いていた。13試合目、437打席目での快音に「大きいのを打ちたいといつも思っているので」と笑った。
 原監督とのマンツーマン指導を結果につなげた。速い球に力負けしないよう、指揮官は13日の西武戦(岐阜)前に打撃投手を数メートル前に出して投げさせるなど“内角に詰まらない”特訓を行った。その内角球をさばいた本塁打だっただけに、価値は大きい。「まだまだですけど上体の力を抜いていい感じで振れました」と感謝する坂本。原監督は「うまく打ちましたね。(開幕1軍は)まだ早い。まだ期間があるし、安心させるわけにいかない」と言いながら「ここまでの競争に勝ち残っている1人」と成長を称えた。篠塚打撃コーチも「あれだけ結果を出しているから開幕1軍は間違いないでしょう」と合格点を与えた。
 正遊撃手・二岡は近日中に1軍に合流する。首脳陣は二岡の開幕スタメンを想定し、坂本を「開幕二塁」で起用できるよう手を打っている。札幌遠征中の7日に原監督が直々に「二塁も練習しておけ」と指示。翌日の試合前練習から二塁でのノックを受けさせた。12日の阪神との練習試合(甲子園)では「6番・二塁」で先発出場し、試運転もしている。実現すれば巨人史上ほとんど例がない強打の「大型二塁手」が誕生する。それでも坂本の謙虚な姿勢は変わりらない。「あまり意識せず毎試合アピールの場だと思っているので。変わらずやっていきたい」。
 チームでは94年の松井(ヤンキース)以来14年ぶりとなる10代開幕スタメンへ。開幕メンバー絞り込みの最終日に放った1号で長打力を証明した坂本は「守備をしっかりやりたい。内野手なので」と締めくくった。

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2008年3月16日のニュース