アーチでエラーで 中田が沸かす

[ 2008年3月5日 06:00 ]

札幌ドームのフリー打撃でオーバーフェンス5発を見せた中田

 札幌ドーム初見参の怪物ルーキーが豪快な打撃で道産子ファンをわかせた。日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18)が4日、札幌ドームで行われた無料公開練習に参加。フリー打撃で左中間席へ“本拠地1号”を放つなど、41スイングで5本のサク越えをマークした。途中でオープン戦初打席初アーチを放ったダルビッシュ・バットを折るハプニングもあったが、4460人のファンの視線を独占した。

 打席に立つだけでスタンドが沸いた。沖縄から“凱旋”したナインの札幌ドーム初練習。集まった4460人のファンのお目当ては、やっぱり中田の豪快なアーチ。フリー打撃に登場したスーパールーキーは、その期待にしっかりと応えてみせた。
 「ファンに喜んでもらってなんぼですから…。別にどこの球場でスタンドに入れたとかは関係ないけど、サク越えで喜んでもらえたならよかった」。本拠地1号は5スイング目。打球は弾丸ライナーで左中間スタンドへ突き刺さった。サク越えは41スイングでわずか5本。それでも約10分間の“翔タイム”は、道産子ファンへの名刺代わりとして十分だった。
 苦手の守備練習でも主役だった。ミスするたびにスタンドから笑い声が響く。ノックでは三塁線の打球をキャッチし「ワンバウンド!」と絶叫して投げたが、結果は3バウンド。何をやっても大ウケだった。
 昨年12月の施設見学以来となる本拠地。ユニホーム姿では初めて両翼100メートル、中堅122メートルの外野フェンスの高さ5メートル75のグラウンドに立ち「すごく広いのでビックリ。きょうはちょっと力が入ってしまいました」
 フリー打撃中には1日に横浜とのオープン戦で歴史的な初打席初アーチを放った時に使用していた、ダルビッシュからもらったバットを折った。キャンプではバットの先端が木目に沿ってはがれたことはあるが“バキッ”と折ったことは1度もなかった。何事にも動じない性格だが、珍しく力が入っていた。
 5日のヤクルト戦は梨田監督の「三塁ベンチがホームなので、ファンに近い方がいい」という計らいで5番・三塁で出場する。
 「お客さんを意識すると駄目なので何も考えずにやりたい」。“宝刀”をなくした怪物は謙虚なコメントを残したが、しばらくすると“らしさ”が顔をのぞかせた。「次の打者につなげる意識を持ちながら、大きいのも頭の中に置いておきたい」。ファンの期待を背負って中田がフルスイングする。

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2008年3月5日のニュース