内村、転倒&尻もちも…本番が照準「練習は良くなくていい」

[ 2016年8月5日 05:30 ]

床運動の着地を失敗し、起き上がる内村

 リオデジャネイロ五輪の団体総合で12年ぶりの金メダル奪回を狙う体操の男子日本代表が3日、本番会場のリオ五輪アリーナで初めて練習を行った。内村航平(27=コナミスポーツ)は最終種目の床運動で大きなミスが出たが、仕上がりには好感触。開会式翌日、6日の団体総合予選、8日の同決勝へ同じ失敗は繰り返さない。

 キングらしからぬ姿だった。6日の予選と同じ午前10時30分に始まった本番会場での練習。最終種目の床運動で、内村がミスを連発した。ひねりの途中で体がほどけてフロアに叩きつけられたほか、着地に失敗して尻もちをつくシーンも。「まあ、ポディウム(本番会場での練習)はそこまで良くなくてもいいんじゃないですか。良すぎた方が怖い」。前向きなのは、失敗の原因を冷静に分析しているからだ。

 最初の種目・あん馬から、本番を見据えて通しの演技を披露。その上で、各種目に追加でトレーニングを上乗せした。「普段は(各種目で)通したら次の種目に行くけど、通しの後にもう1回やったりした」。跳馬も1度目の「リ・シャオペン」に失敗した後、再びアタック。「前半でたくさんやったので、床に凄く響いていた」と振り返った内村は、「試合になれば通しの後の余分な1本はない。そこまで問題ない」と話した。

 本番会場はブラジルカラーの緑が基調。野菜が大嫌いだった08年北京五輪時は見るのも嫌だった緑色だが、サラダも食べる今は違う。「(緑は)落ち着く作用もあるし、僕は凄くいいと思う。いつも通り演技できるんじゃないかな」。気になったのは色よりも会場内の温度だ。「思っていたよりも寒かった」。本番では会場を埋める観衆の熱気が、キングを後押しする。

 12年ロンドン五輪の個人総合を制したが、団体総合は2度の五輪でともに銀メダル。悲願の団体金メダルへ、3度目の夢舞台の開幕が近づく。「痛いところもないし、疲れているという感じはない。無理をしすぎないで調整できれば、いい状態になる」。04年アテネの“栄光の架け橋”を超えるフィニッシュへ、キングが静かにラストスパートに入る。

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