錦織 ジョコに肉薄「動きやコース見えた」総ポイント数わずか1差

[ 2016年5月16日 05:30 ]

男子シングルス準決勝で第2セットを落とし悔しがる錦織圭

テニスイタリア国際

(5月14日 ローマ)
 男子シングルス準決勝で第6シードの錦織圭(26=日清食品)は第1シードのノバク・ジョコビッチ(28=セルビア)に6―2、4―6、6―7で逆転負けし、この大会初の決勝進出を逃した。第1セットを先取しながら競り負け、対戦成績は8連敗。それでも22日開幕の全仏オープンへ期待を抱かせる内容だった。15日の決勝は3連覇を狙うジョコビッチと第2シードのアンディ・マリー(29=英国)の顔合わせとなった。

 3時間を超えたフルセットの激闘は紙一重の勝負だった。錦織は互角のラリーで王者を追い詰めたが、最後はタイブレークで「勝ちを意識して硬くなった」とダブルフォールトなどミスが響いて力尽きた。総ポイント数はジョコビッチの112に対し、111とわずか1点差。「勝つチャンスもあった。悔やむポイントが少しある」と沈んだ声に無念さがにじんだ。

 準々決勝で痛めた右股関節が万全でない中で、第1セットから「攻撃的にいけた」と鋭いバックハンドで揺さぶり、ドロップショットも効果的だった。コーチと対策を研究し「彼の動きや打つコースが読めた」と1年ぶりにセットを奪った。

 第2セットは奪い返され、最終セットは壮絶な展開。2―4からブレークバックして反撃し、平常心を失った世界1位の相手がラケットのガットが切れたことに気づかず審判員に指摘される場面もあった。前週にも対戦し「光が見えた」というマドリード・オープン準決勝と比べて「さらに接近した試合ができた。もうちょっとですかね」と収穫も得た逆転負けだった。

 14年の全米オープン準決勝で勝利してから8連敗。通算でも2勝9敗と大きく負け越しているが、王者の背中に迫っている。22日に開幕する全仏オープンの前哨戦で「最高に充実したテニスができた」と着実な一歩を刻んだ。

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2016年5月16日のニュース