NFLのPOシード順位付けルール 最後の12番目は…あの決め方

[ 2016年1月7日 15:23 ]

15年のスーパーボウルを制したペイトリオッツのQBブレイディー(AP)

 NFLは9日からプレーオフに突入する。2月7日にカリフォルニア州サンタクララで行われる第50回スーパーボウルに進出するのはどのチーム?しばらく米国内はこの話題で持ちきりになるだろう。

 NFLはナショナル・カンファレンス(NFC)とアメリカン・カンファレンス(AFC)で構成され(各4地区)、北米4大スポーツでは最多の32チームが所属している。このうちプレーオフに駒を進めることができるのはNFCとAFC各6チームの計12チーム。8地区の優勝チームは無条件でポストシーズンを迎えることが可能で、地区優勝しなかったチームの中から好成績を収めた4チームがワイルドカードとしてスーパーボウルへの挑戦権を獲得する。

 さて問題はプレーオフでのシード順の決め方だ。もちろん両カンファレンスともに勝率がいいチームから第1シードとなっていくが、なにせレギュラーシーズンは16試合。どうしても同じ成績のチームが複数出てきてしまう。だから今季のNFCの“格付け”はちょっと厄介だった。

 東地区のペイトリオッツ、北地区のベンガルズ、そして西地区のブロンコスが12勝4敗で日程を終了。ではどこがカンファレンス決勝までのホームアドバンテージを取得する第1シードなのか?

 実はNFLではこうなることを予想して前もって順位を付ける方法(タイブレークシステム)がきちんと決められている。今回は3チームが同率。この場合、3チーム間の直接対決で一番勝率のいいチームが最上位となる。これでまず他の2チームに2勝しているブロンコスが“勝ち抜け”となった。ただしペイトリオッツとベンガルズは今季直接対決がない。そもそも16試合しか組まれないから、これも珍しいことではないのだ。

 というわけで、タイブレーク方式の2番目の項目、つまり同率チームの「カンファレンス内の成績」に移行。両チームは所属のAFC内のチームと12試合を行っているから、これなら差がつくだろう…。と思ったらどちらも9勝3敗。“2次試験”でも序列を決められなかった。そこで3番目の項目にたどり着く。それが「共通対戦チーム(4試合以上あった場合のみ)の成績」だった。

 ここでペイトリオッツが4勝1敗で、ベンガルズが2勝3敗。“延長戦”は3回目でようやく終わったのである。

 でもここで同じだったらどうなっていたのだろう?そこでさらにタイブレーク方式に記されている決着方法を見ていくとこうなっていた。(4)所属カンファレンスの全チームとの対戦成績→(5)勝った相手の平均勝率→(6)対戦した全チームの平均勝率→(7)カンファレンス内の試合での得点&失点ランキングの合計→(8)全試合における得点&失点ランキングの合計→(9)共通対戦相手との得失点差→(10)全試合の得失点差→(11)全試合のTD総数…。

 そして最後の12番目の項目は実にユニークだ。そもそも11番目までで決まらないなどというのは未来永劫にわたってないと思うのだが、可能性として残る以上、絶対に決着する方法を残しておかなくてはいけない。筆者はこれを3番目くらいにしてもいいと思っている。選手たちはしょっちゅう経験しているし、繰り上がっても誰も文句は言わないだろう。むしろかえってすっきりするはずだ。

 では紹介しておこう。NFLタイブレーク方式の最終12番目の項目。そこに書かれているのは「Coin toss(コイントス)」だった。(高柳 昌弥)

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2016年1月7日のニュース