錦織に“ビッグ4”の壁、A・マリーに完敗 今季クレー初黒星

[ 2015年5月11日 05:30 ]

試合中に汗をぬぐう錦織(AP)

テニス マドリード・オープン

(5月9日 スペイン・マドリード)
 男子シングルス準決勝で世界ランキング5位の第4シード、錦織圭(25=日清食品)は2年連続の決勝進出を逃した。世界3位の第2シード、アンディ・マリー(27=英国)に3―6、4―6でストレート負け。“ビッグ4”の壁に阻まれてクレーコートで今季初黒星を喫し、ラファエル・ナダル(28=スペイン)と決勝で再戦とはならなかった。次週はイタリア国際に出場し、24日から4大大会の全仏オープンに臨む。

 ツアー随一の鉄壁の守備を錦織がどう崩すか。試合前に予想された構図は「攻」の錦織、「守」のA・マリーだった。ところが、試合が始まってみると2人の立場は逆になっていた。

 両者は昨年11月のATPツアー・ファイナルで錦織が初勝利を挙げて以来の再戦で、クレーでは初対戦だった。「一番はサーブに対応できなかった」と得意のリターンで糸口をつかめず、主導権を握られた。「相手のプレーの内容は前回とそこまで変わっていなかった。ただ予想していなかったバックハンドのストレートをうまく決められた」と振り返った。

 特に顕著だったのは第1セットだった。A・マリーはバックハンドでストレートに打ったのが全体の23%。組み立てに変化をつけ、錦織のお株を奪うエース級のバックハンドのストレートを次々に放った。錦織はストレートに打ったのが全体の6%、わずか2本。持ち味の素早い仕掛けと展開力が影を潜め、3―3の第7ゲームでは第2サーブを狙い打ちされてブレークを許した。第2セットは第3ゲームで初ブレークに成功したものの、直後に取り返されて押し切られた。

 「自分のミスが多すぎた」と言うようにエネルギーも欠いていた。初戦から25時28分終了の深夜マッチをこなし、4日連続での試合。「きついスケジュールだったので体というよりは頭のほうが疲れていた。昨夜も寝たのは遅かったし、大変な1週間だった」と疲れをにじませた。

 とはいえ、A・マリーも今大会では深夜マッチがあった上に、前週は雨天中止によるダブルヘッダーもこなしながら優勝して今大会を勝ち抜いている。この日、錦織は長いラリーに限れば大半でA・マリーを打ち負かした。だがトーナメント、そしてツアーをタフに戦い抜く体力はまた別物。ビッグ4の一角を担う相手との違いがそんなところにあった。

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