“リオの星”三谷 女子シングルス日本勢37年ぶりメダル

[ 2014年8月30日 05:30 ]

女子シングルス準々決勝で韓国選手を破った三谷

 バドミントンの世界選手権第5日は29日、コペンハーゲンで各種目の準々決勝が行われ、女子シングルスで第16シードの三谷美菜津(NTT東日本)が第5シードの成池鉉(韓国)を2―1で破り、4強入りを決めた。3位決定戦がないため、同種目の日本選手では1977年の第1回大会3位の湯木博江以来37年ぶりのメダル獲得の快挙。女子ダブルスでは第7シードの前田美順、垣岩令佳組(ルネサス)が第10シードのインドネシアのペアを2―0で下して4強入りし、末綱聡子(ルネサス)とのペアで11年大会3位の前田は日本選手初となる2つ目のメダルとなった。

 自慢のフットワークを生かし、粘り強く拾って攻める真骨頂で快挙を達成した。女子シングルスで22歳の三谷が主要大会では4戦全敗だった難敵を緩急自在のショットで揺さぶり「体力勝負では負けられない気持ちがあった」と苦境を打開した。1時間を超える我慢比べの試合に逆転勝ちしてメダルを確定させると、はにかんだような笑みをのぞかせた。

 3回戦で昨年の世界選手権女王から金星を挙げた実力は本物だった。1メートル61と上背がないが、日本代表の朴柱奉(パクジュボン)監督が「動きのスピードは世界一流」と評すリオデジャネイロ五輪期待の星だ。第1ゲームは先取されたが、第2ゲームからは「長いラリーに持ち込めば有利になる」と流れを変えた。最終ゲームでは14―18から「相手の足が疲れで止まっていた」と冷静に判断し、ネット際に落とすドロップショットを織り交ぜて5連続得点。昨年の全日本総合選手権女王は土壇場で底力を見せた。「足を使って勝てる自信がついた」。37年ぶりのメダルには「まだ実感がない」とほほ笑んだ。

 ◆三谷 美菜津(みたに・みなつ)1991年(平3)9月4日、石川県出身の22歳。女子シングルスで09年高校総体女王。12年フランス・オープンでは五輪、世界選手権に次ぐ格付けのスーパーシリーズのシングルスで日本勢初優勝。NTT東日本。1メートル61、54キロ。

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2014年8月30日のニュース