早大逆転V圏内2位 3区大迫が圧巻9人抜き

[ 2013年1月3日 06:00 ]

3位まで順位を上げ、平塚中継所に向かう早大・大迫(中央)

第89回箱根駅伝

(1月2日 東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間108キロ)
 2年ぶりの王座奪回を目指す早大は1区が17位と大ブレーキだったが、3区でエース大迫傑(3年)の9人抜きの活躍などで巻き返し2位につけた。史上初の往路5連覇を狙った東洋大は、柏原竜二(現富士通)が抜けた5区で遅れて3位。全日本2連覇で優勝候補筆頭の駒大はまさかの9位スタートとなった。

 ミスがあっても2位に踏みとどまった。早大は優勝候補の東洋大と駒大を抑え、トップの日体大とは2分35秒差につけた。狙っていた往路優勝はならなかったが、逆転圏内にはしっかり入った。

 1区で前回9区2位の前田が17位とまさかの大失速。最悪のスタートだったが、3年連続2区の平賀が12位に上げた。さらに、補欠から当日変更で3区に配置されたエース大迫が猛然と追い上げる。過去2年の1区区間1位で、今大会ただ一人の1万メートル27分台のタイムを持つ最速ランナーは、次々と前を行く選手たちをかわした。湘南海岸沿いでは「今まで経験したことがない。ずっと向かってきた」と突風に体をあおられながらも、ペースを落とさなかった。13キロ過ぎには2位集団に追いつき、15キロでは陸上部の同僚で、ロンドン五輪男子やり投げ代表のディーン元気から給水を受け「力になりました」。区間2位の走りで9人抜きを演じ、チームを3位に押し上げた。「順位を上げることはできた。最低限の走りはできた」。1区の失敗をエースがしっかりカバーした。

 だが、5区にも思わぬ“落とし穴”があった。昨年同区区間3位で、渡辺監督が「小さな怪獣」と愛称をつけて期待した山本(2年)。3位でタスキを受け、東洋大をとらえ、日体大の服部と中盤で競り合ったが、右脚のけいれんもあって、16キロ過ぎに突き放された。本来の力を出し切れず「向かい風の中でうまく走れなかった。情けないけれど、これが精いっぱいだった」と悔し涙を流した。

 渡辺監督は総合優勝の条件に掲げていた「往路優勝」を逃し、「チグハグなレース展開だった。きょうは勝ったとしても喜べない」と厳しい表情を浮かべた。理想の先行逃げ切りはなくなった。復路は追いかけるしかない。大迫は「復路も力のある選手がいる。粘っていけば、いい順位はついてくる」と仲間たちに思いを託した。

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2013年1月3日のニュース