天国の姉に贈る区間賞 実家被災の青学大・高橋

[ 2013年1月3日 19:00 ]

8区で区間賞を獲得した青学大の高橋宗司(左)。右は9区の横山拓也

第89回箱根駅伝復路

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町)
 天国の姉に贈る快走だった。8区で区間賞を獲得した青山学院大の高橋は、東日本大震災で姉の沙織さん=当時(22)=を失った。「とにかく前を目指して走った。区間賞は信じられない」と声を弾ませた。

 大学の寮に入った直後、宮城県東松島市の実家が津波にのまれ、姉が犠牲になった。陸上の中距離選手だった沙織さんは大の駅伝ファン。「駅伝っていいよね」と2人で語り合い、高橋が大学に進むときは大喜びだったという。

 1年生だった前回はメンバーから漏れ、昨夏帰省した際に墓前で「次は絶対に出るから」と誓った。沙織さんの遺影を手に観戦した母の千賀子さん(51)は「走っている姿を見せられてよかった」と目を潤ませ、東松島市の震災復興本部に勤務する父の宗也さん(50)は「やつの走りに負けず、前に進みたい」と復興への思いを新たにした。

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2013年1月3日のニュース