前半戦でカド番大関同士対戦ある 八百長疑惑解消も

[ 2012年11月10日 06:00 ]

カド番で、ご当地場所に臨む琴奨菊

 日本相撲協会は9日、福岡国際センターで九州場所(11日初日)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)はカド番大関が序盤で成績が悪かった場合に、前半戦(8日目まで)でカド番同士や横綱との取組を組むことを示唆した。新横綱・日馬富士(28=伊勢ケ浜部屋)は初日に小結・豊真将(31=錣山部屋)、2日目は幕内・隠岐の海(27=八角部屋)の挑戦を受ける。

 カド番大関が史上最多の3人となり、本場所の取組を編成する審判部がクギを刺した。会議を終えた鏡山審判部長は大関の取組に言及。「最初につまずいたら(カド番同士の対戦を)考えないといけない。ちょっと早めになるかもしれない」と琴奨菊、琴欧洲、把瑠都が序盤戦で黒星が目立った場合に、カド番同士や横綱との対戦を前半戦(8日目まで)に組む可能性を示唆した。

 本来ならば横綱、大関戦は場所の後半に組まれるが、同部長は「最後の方は(優勝争いしている力士には)前頭で星のいいやつを当てるかもしれない。それに(八百長など)変な誤解もなくなるよ」と説明。優勝争いを盛り上げることやカド番脱出に向け八百長(星の回し合い)の疑いをかけられないようにする意図があるという。

 中日までにカド番同士が対戦することになれば、72年春場所初日に前の山と大麒麟が対戦して以来40年ぶり。秋巡業に同行して3人の稽古を見た鏡山審判部長は「前半を乗り切らないと3人ともに厳しいだろうな」と分析した。

 ▽カド番 1場所を負け越した大関が次に迎える本場所の通称。69年名古屋場所から「大関は2場所連続して負け越した時は(地位を)降下する」(日本相撲協会の寄付行為施行細則付属規定)と定められた。今場所の琴奨菊、琴欧洲、把瑠都でカド番大関の総回数は122(69年名古屋場所以降)。

 ≪佐渡ケ嶽2大関は一番集中≫佐渡ケ嶽部屋のカド番2大関は前半戦で把瑠都や横綱らと対戦する可能性について、冷静に受け止めた。初のカド番となる琴奨菊は「自分だけじゃなくて、みんな状況は同じ。問題ないです。自分の相撲を取りきって、いいところを見せたい」。5度目のカド番を迎えた琴欧洲は「まだ初日と2日目の取組が決まっただけ。先のことを話しても…」と、目前の一番に集中することを強調した。

続きを表示

2012年11月10日のニュース