北京国際マラソン エントリー排除に困惑と驚き 宗猛監督「複雑」

[ 2012年11月10日 20:10 ]

昨年10月に行われた北京国際マラソンでスタートするランナーたち

 北京国際マラソンで日本のランナーがエントリーできなくなっている問題が発覚した10日、スポーツ界に困惑が広がった。尖閣問題をめぐる日中関係の悪化が背景にある可能性があり、1985年に2位に入った旭化成の宗猛監督は「当時は友好的なイメージだったが、そこまで悪化しているとは複雑な気持ちだ」と驚きを隠せなかった。

 特定の国籍を排除する大会主催者の対応を問題視する声は多い。日本の国際陸連関係者は「理由が分からないが、スポーツへの政治介入であれば国際的に通用しない。当然、緊急議題に挙がるだろう」と指摘した。国際陸連のデービス広報部長は日本陸連などから抗議があれば対処する姿勢を示した。東京マラソン財団関係者によると、日本企業が協賛社から外される動きもあり「ランナーまで排除されるとは危機的な状況だ」と述べた。

 最近の北京国際マラソンには日本から実業団のトップ選手は出場していないという。日本陸連では日本の市民ランナーのエントリー状況などは把握しておらず「中国陸連から何の連絡もない。早く情報を収集したい」と語った。

 マラソン解説者の金哲彦さんは「スポーツは平等が基本のわけだから、異常な事態。日本とも関わりの深い大会で、市民レベルでこういうことをされたら困るという印象だ」と市民ランナーの声を代弁した。

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2012年11月10日のニュース