真央悲しみ乗り越え0・16差2位 母に逆転V届ける!

[ 2011年12月25日 06:00 ]

<フィギュア全日本選手権>女子SPで2位発進となった浅田真央

フィギュアスケート全日本選手権第2日 女子SP

(12月24日 大阪・なみはやドーム)
 世界選手権代表選考会を兼ねて行われ、女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央(21=中京大)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を回避し、65・40点で2位発進した。9日に最愛の母・匡子(きょうこ)さん(享年48)を亡くしたが、悲しみを乗り越えノーミスの演技を披露した。65・56点で首位の村上佳菜子(17=中京大中京高)とは0・16点差。25日のフリーで逆転Vを狙う。男子フリーでは高橋大輔(25=関大大学院)が254・60点で2年ぶり5度目の優勝を飾った。

 瞳はかすかにうるんでいた。でも、泣かなかった。演技を終えた浅田が、大歓声を浴びながら涙をこらえた。今季SP自己最高得点の65・40点で2位発進。「今はホッとしています」。9日に最愛の母・匡子さんが亡くなってから、まだ15日。「いつもと違う緊張感があったけど、曲が鳴ったらいつも通りできた。演技に集中しました」。特別な舞台で、ノーミスの演技を披露した。

 「シェヘラザード」の旋律に、今できる全てを込めた。自分の判断でトリプルアクセルは回避したが、3度のスピンで最高評価のレベル4を獲得し、表現力が評価される5項目の演技点は全体トップの得点をマーク。「たくさんの方に“頑張って”って言葉をいただいて、凄く頑張ろうと思った。たくさんの方が見守ってくれている感じがした」。愛のこもった声援が、浅田の背中を優しく押していた。

 SP首位の村上とは、わずかに0・16点差。「目標は跳ぶことだけど、現実的に見て跳べている状況じゃない」。25日のフリーもトリプルアクセルは回避する方向だが、5度目の頂点は射程圏だ。「笑顔で、華やかに、のびやかに滑りたい」。天を見上げたポーズで演技を締める、フリーの「愛の夢」。天国の母にささげよう、最高のフィニッシュを――。

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