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【自転車やろうぜ!!】宇都宮ブリッツェン地域密着「自転車教室」

[ 2015年9月4日 05:30 ]

熱心に自転車の乗り方を指導する広瀬GM
Photo By スポニチ

 地域密着をうたうプロスポーツチームはサッカーや野球ばかりではない。創設7年目の「宇都宮ブリッツェン」(栃木県)はロードレースのプロチームだが競技ばかりではなく、地元とのつながりも大切にしている。年間30回以上開催する「自転車教室」も、その一環。夏休み中の8月後半、宇都宮市内で行われた教室をのぞいてみた。

 今回の対象者は幼児から小学高学年までの25人。講師はブリッツェンの広瀬佳正GM(37)と、ブリッツェンOBで現在は同じ栃木のプロチーム「那須ブラーゼン」に所属する若杉厚仁マネジャー(25)が務める。2人とも元プロ選手。

 まずは簡単に座学講習から始まった。「自転車は左側を走るんだよ」「一時停止の標識がある場所は必ず止まろうね」とやさしく話しかける2人。真剣な表情の子供たち相手に「飲酒運転も駄目だからね~」と場を和ませて、いよいよ実践編へ。

 参加者の半数は補助輪なしでは走行できない。そのため普通に走れるグループと分かれて講習となった。持参した自転車を見てびっくり。普段着用している補助輪だけでなく、ペダルまでがスタッフの手で外されている。サドルにまたがった子供たちは足で地面を蹴らなければ前に進まない。あっ、これは最近流行の「ランニングバイク」だ!

 担当の若杉マネが子供用自転車を器用に操りながら見本を示す。「両足で思い切り後ろに蹴ったら、足を前にパッと広げる。この間に進む距離が長くなればペダルを付けて走れるよ」。のみ込みの早い参加者はペダルを再装着してもらうと、あらら不思議、補助輪がなくても進んでいく。本人ばかりではなく見守るお父さん、お母さん、大喜びだ。

 「この教室だけで補助輪が取れるのは3割程度なんですけど」と控えめなのは講師も務めたブリッツェンの柿沼章社長(43)。もちろん同社長も元プロだ。

 一方で広瀬GMは主に小学高学年を担当。すでに自転車に乗れる世代が相手だ。高さ3センチ、幅20センチほどの台の上から外れずに真っすぐ進む練習や、コーンとコーンの間をスラロームするなど、ゲーム感覚を取り入れたメニューがつつがなく進む。自転車はある程度スピードを出さないと安定しない。だがスピードを出しすぎると曲がりにくい。そのトレードオフを自在に操ることができれば、安全という面でも優位に立てる。わずか2時間ほどで貴重なエッセンスを伝授している。

 「とにかく、まずは自転車を好きになってもらいたい。自転車って楽しいと感じてほしい」と柿沼社長。広瀬GMはそれに加え「自転車は危険な乗り物であることも子供の頃から認識させたい」とも言う。

 この日の教室はスケジュールの都合で不可能だったが、通常なら現役選手も講師として参加。若者ばかりではなく高齢者の介護予防を目的とした企画も用意している。

 教室の締めでは修了証とオリジナルの自転車免許をもらって大喜びの子供たち。トッププロから直接指導を受けた幸せな子供たちの顔は汗びっしょりでほほ笑んでいた。

 ☆宇都宮ブリッツェン 2008年10月に栃木県宇都宮市で発足、翌09年から活動を開始したロードのプロチーム。国内最高峰のJプロツアーに参加し、今季は20チーム中3位につけている。ブリッツェン(BLITZEN)はドイツ語で「稲妻が輝く」の意。雷の多い土地柄から採用された。例年10月中旬に地元で開催される国際格式レース「JAPAN CUP」での優勝なども目標としている。

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