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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】withコロナでもwithスポーツ!外で有酸素運動、家で簡単筋トレ

[ 2021年8月20日 12:00 ]

久野先生オススメ筋トレ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「運動不足の解消」についてです。東京五輪が開催された今こそ、運動を始めるチャンス。運動不足は深刻な病気につながるので要注意なのです。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。東京五輪は日本選手のメダルラッシュで幕を閉じました。世界のトップ選手を見ると「自分もあんな体になりたい、なるぞ!」と思うもの。柔道で金メダルを獲得した大野将平選手みたいになれたら、かっこいいですもんね。まずは、日ごろの運動不足を解消しないと。千里の道も一歩からですよ。そこで今日は、健康政策とスポーツ医学が専門の筑波大学教授、久野譜也先生にお話をうかがいました。

 「運動は間違いなく健康にプラスです。東京五輪があったこの機会に、ぜひ取り組んでいただきたい」。久野先生は開口一番、強調します。久野先生が、ちょっと驚きのデータを紹介してくれました。WHO(世界保健機関)が2009年に発表した「世界の死亡や医療負担の要因となる疾患」で、運動不足は、1位の高血圧、2位の喫煙、3位の高血糖に続く4位。さらに、厚生労働省の2018年の発表では、1位喫煙、2位高血圧、3位が運動不足でした。毎年、約5万人が運動不足が要因となって死に至っているそうです。

 久野先生は「運動は続けることが大事。筋肉を鍛えて“貯筋”しないとダメなんです」と話します。特に下肢の運動が必要ということです。「40代以降、下肢の筋肉は1年で1%減るといわれます。30代の筋肉を100%とすると、60代には40%減る、70代では30代の半分になってしまうのです」

 筋肉が減れば、体重も減ることになります。でも大方の人は、そうなっていませんよね。「実は、減った分を補っているのが脂肪。その脂肪は高血糖、糖尿病、脳卒中のリスクとなるので要注意です」とのことです。

 まず久野先生が勧めるのが有酸素運動。「有酸素運動は脂肪を燃やし、同時に動脈硬化も予防します。シニア世代にとっての有酸素運動は、肥満防止だけでなく、動脈硬化予防にもなるのです」。ただ久野先生が注意を促すのは、加齢で筋肉量が減る「サルコペニア」は有酸素運動では解消できないということ。これには筋力トレーニングが必要になるのです。「有酸素だけ、筋トレだけではなく、両方やることが大事です」とのことです。

 有酸素運動はジョギング、ウオーキングでカバーできますね。ステイホームが基本ですが、久野先生は「コロナを言い訳にしない。人のいない場所、時間帯を選んで行いましょう」と話しています。

 筋トレはどうでしょうか。「負荷が軽すぎると効果はでません。最初軽めで、だんだんと重くしていかないと筋肉はつきません」とのことです。まずは、運動不足解消を第一に考えて、自宅で手軽にできる筋トレから始めませんか?

 イラストを見てください。久野先生オススメの筋トレです。まずは(1)。自分の体重をウエート代わりに使ったスクワットです。下半身の筋肉強化の基本ですね。(2)と(3)は久野先生が特に勧める、いすに座ってテレビを見ながらでもできる下半身トレです。(2)は「1、2、3」と小声で言いながら片方ずつ脚を上げます。1秒間止めて、また「1、2、3」と言いながら戻します。腿に力を入れながらやるのがコツです。(3)も同じく「1、2、3」と言いながら。

 (1)(2)(3)とも下半身トレ。久野先生は、(4)として上半身トレの腕立て伏せを加えることも勧めます。「筋肉痛は筋肉が増えるシグナル。ただし無理はしないこと。軽い筋肉痛を感じる程度がいいです。肥満気味、高血圧の人は特に、いきなり激しい運動をしないよう注意しましょう」とのことです。

 私の年齢になると、頑張りすぎると必ずどこかが痛くなっちゃう。無理をしないで、ストレッチをして、軽い有酸素運動をするのがいいですね。胸板を厚くしようとか、腹筋を割ろうとか考えないことです。ジムでも、頑張りすぎている人ほど、その後見なくなっちゃいますから。

 「これまで運動していなかった人は、少し頑張るだけでも随分と変わります。まずは3週間頑張ってみる。そうすれば、生活の中で動作が楽になったり、今まで感じていた痛みが和らいだりする。3週間で変化が感じられなかったら、動作が間違っているなど、やり方が悪いということです」と久野先生。運動不足は、日本では疾患のリスクの3位。この銅メダルはいただけません。さあ体を動かして、この不名誉な銅メダルを返上しましょう。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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