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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】具だくさん野菜スープで免疫力アップ

[ 2020年5月23日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて、元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、「免疫力を高める効果が期待できる野菜スープ」です。レシピも簡単。新型コロナウイルス対策にもなります。

 ◆生で食べるより加熱調理お薦め
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されてきました。でも北海道、首都圏はまだです。気を緩められません。何よりワクチンの開発が待たれます。それまでは3密を避け、マスク、手洗いなどしっかりやっていきましょう。あと私たちにできることといえば、ウイルスに対抗できる免疫力を高めておくことではないでしょうか。そこで今回は、毎日の食事で手軽に効果が期待できる方法を紹介します。それは「野菜スープ」です。提唱者でもある、医学博士で熊本大学名誉教授、東北大学特別招聘(しょうへい)プロフェッサーでもある前田浩先生にお話をうかがいました。

 前田先生は「野菜の成分の効果的な摂取が新型コロナウイルスに対しても有効と考える」と話しています。ではなぜ野菜スープなのでしょうか。

 前田先生がマウスにインフルエンザウイルスを感染させる実験をしたところ、死んだマウスからウイルスが見つからなかったそうです。では何がマウスを殺したのか。体はウイルスや病原菌が侵入してくると、白血球が攻撃。そのとき白血球は「活性酸素」という物質を出します。この活性酸素も外敵をやっつけるのですが、時に異常に増えすぎる。ウイルスを退治した後も周囲のヒトの肺の細胞を傷つけて、結果的に致命的な肺炎やがんを引き起こす。マウスの死は、ウイルスが引き金でしたが、直接の死因は増えすぎた活性酸素だったのです。これが前田先生の発見です。

 前田先生は次に、増えた活性酸素を中和したり、取り除く物質を探しました。活性酸素に対抗できるのは文字通り「抗酸化物質」。ベータカロテン、リコピン、ルテイン、ビタミンC、ビタミンK、ならびにポリフェノールやフラボノイドと呼ばれる数多くの抗酸化物質を豊富に含むのが野菜だったのです。図<1>で例を示しますね。

 スープにするのにも理由があります。野菜を食べるといえばサラダという人が多いと思います。最近はジューサーでスムージーもはやってますね。でも前田先生によると、生やジュースでは抗酸化物質を効率的に取れないそうです。植物の細胞には、動物にはない細胞壁があります。中学校の生物で習いましたね。抗酸化物質を体内に吸収するためには、この硬い壁を壊さないと有効成分が出てこないのです。その方法が煮る、蒸すなど加熱すること。前田先生の研究では、生よりも熱を加えた方が抗酸化力は10~100倍にもなるそうです。前田先生は抗酸化物質たっぷりの野菜スープを毎日飲んでいれば、新型コロナを含むウイルスに感染しても「軽症か早い回復が期待できる」と話しています。

 ◆手軽に作れコロナ対策にも一役
 野菜スープは簡単に作れるところがいいですね。特別に準備しなくても、毎日の料理に使う野菜から少しずつスープ用に取り分けておいて、それをお鍋に入れて煮ればいいわけですから。

 前田先生のお宅では、たくさんの種類の野菜を使うそうです。中でもタマネギ、トマト、キャベツ、カボチャ、セロリ、ブロッコリー、ホウレンソウ、レタスは特によく食べるんですって。あと前田先生のオススメは、野菜を煮たあと、そのままハンドミキサーでつぶしてポタージュ状にすること。冷蔵庫で保存して、毎朝温めて飲むそうです。冷凍保存もできますし、これからの季節、冷製スープもいいですね。前田先生は、かれこれ20年ほど野菜スープを飲み続けているんですって。現在81歳。「さしあたって何の病気もない」そうですよ。前田家のレシピも紹介しておきます(図<2>)。参考にしてください。あと前田先生は最近「ウイルスにもガンにも野菜スープの力」(幻冬舎)という本を出版されました。本には緑、黄色、赤と野菜の色別スープなども掲載されています。

 前田先生のお話をうかがって“目からうろこ”でした。野菜は生、サラダがいいと思ってましたから。スープは軟らかくなるまで煮るだけでいいんですから簡単。冷蔵庫に入れれば日持ちもします。それでいて栄養たっぷり。私の中では当分、野菜スープブームが続きそうです。免疫力を高めて、新型コロナウイルスへの対策としましょう。

 ≪がん予防の効能も≫ベータカロテン、リコピンなどは「ファイトケミカル」と呼ばれています。新型コロナと闘う、いかにも威勢のいい名前ですが、この「ファイト」は「戦う」という意味の英語「fight(ファイト)」ではありません。植物を意味する「phyto(フィトの英語読みでファイト)」です。表のファイトケミカルは共通して、ほとんど抗酸化能、がん予防、アンチエイジング作用があります。抗酸化能は活性酸素の毒力を中和します。これ以外の野菜も似たりよったりの機能を持っているのはもちろんです。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は98年から続く長寿番組。名物コーナーの「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から芸能界きっての健康通。

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