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【だから元気!】舟木一夫 ボクは体を大事にしないンだ…だけど元気!好きにやるのが性に合う

[ 2022年5月27日 05:30 ]

スタジオでもどこでも「ガリガリ君」をよく食べる舟木一夫
Photo By 提供写真

 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は、芸能生活60周年イヤーを迎えている歌手の舟木一夫さん(77)です。古希を過ぎても年間4000曲以上を歌うコンサート漬けの日々を送り、会場はどこも超満員。いつまでも“高校三年生”のように若々しい秘訣は「体を大事にしないこと」なのだとか――。(構成・飯尾 史彦)

 若い頃からずっと好きなのは辛いものだね。これ、実際にいつも持ち歩いているマイタバスコとマイ唐辛子。牛タンにはこうやって山ほど一味唐辛子をかけるンだ。ステーキにはタバスコ。味噌汁なんてさ、唐辛子を「これでもかっ」というぐらい振りかけるから、おわんの底に1センチぐらい積もっちゃう(笑い)。本来の味が鈍っちゃうからオススメはしないよ。

 1963年に「高校三年生」でデビューした翌年は毎日が目の回る忙しさで、刺激物がないと食欲が出ない時期があった。それで意識して辛いものを食べるようにしたらハマっちゃって。歌う直前にも辛いあめをなめているほどだよ。

 ラーメンもよく食べるね。脂ギトギトのやつも好きだけど、最近はさすがに胃がもたれるようになっちゃった。今は昔ながらのしょう油ラーメンに、コショウをてんこ盛りに入れる。これがたまらない(笑い)。

 アイスも好きで、ガリガリ君っていうのは60代半ばには年間200本ぐらい食べていた。幼い頃は雑なかき氷を食べていた世代だから、こういうさっぱりしたのがいい。

 辛いものに、脂っこいものに、冷たいものと、歌手として喉に良くないものばっかり。体を大事にしている歌手なら、こんなもんばっか食べないよ。でも、これがボクの元気の秘訣なんだ。好きにやるのが合っている。「だから元気」というより「だけど元気」っていう感じだね(笑い)。気持ちがいつまでたっても悪ガキ。何かを「大事にする」っていうことをしないンだ。

 声だってそう。楽屋や寝室に加湿器を置いたことがない。だってステージに上がって緞帳(どんちょう)が上がったら、加湿器なんてそこにありゃしないでしょ?乾燥する時季でも、湿気の多い時季でも即座に対応できないとダメ。そのためには声を雑に使ってやって鍛えてやるンだ。はだしで砂利道を走ったら足の裏が強くなるでしょ?体も声も同じ。いくつになっても声を大事にせず、その時にある声を目いっぱい使ってやる。そうじゃないと声がかわいそう。

 来月で足かけ60周年になるけど、60年もやってきたという実感はないな。たくさん賞ももらってきたけど、ボクは「今、面白いかどうか」っていうことしか興味がない。昨日褒められたことは「一晩寝たらもう意味がない」と思っていて、持ち越さないのがボクの根本的な性格。むしろ失敗している方が面白くて、仕事の帰り道に「やっちまったな」って思っているうちは現役ができると思っているんだ。

 実際に20~40代の頃よりも今の方がよく歌えている歌がある。3年前から全ての歌のキーを半音上げて歌うようにして、この相棒のマイクが張り上げた声をうまく拾ってくれる。60代に入ってからは、お客さんの前で歌うことが一番のストレス解消になっていて、最高にいい形になった。歌を歌っているのが楽しくてお客さんの顔を見るのが何より楽しいンだ。77歳になったけど、体も声もヘタらせないよう、これからもどんどん大事にしないで使っていくよ。

 《全国ツアー開催中》舟木は今年1月の東京国際フォーラム(千代田区)公演を皮切りに芸能生活60周年記念の全国ツアーを開催中。7月13~15日にはツアーとは別バージョンの特別コンサートを東京・浅草公会堂で行う。「ツアーとは全然違う内容で、リハーサルも楽しい。ひとりカラオケで2時間ぐらい歌ってリハをする時もある」と充実している。12月10~21日には東京・新橋演舞場で劇場公演も決まった。

 ◇舟木 一夫(ふなき・かずお)1944年(昭19)12月12日生まれ、愛知県出身の77歳。63年に「高校三年生」でデビュー。学園3部作と言われる「修学旅行」「学園広場」も大ヒット。翌64年にはNHK大河ドラマ「赤穂浪士」で俳優デビュー。同時期にデビューした橋幸夫、故西郷輝彦さんとともに「御三家」と呼ばれる。血液型O。

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