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初戦で相手選手に蹴り…ポグバ モヒカン頭でみそぎ弾

[ 2014年7月2日 05:30 ]

<フランス・ナイジェリア>後半34分、ゴールを決めたポグバはバルビュエナに頭突きを見舞う(AP)

W杯決勝トーナメント1回戦 フランス2―0ナイジェリア

(6月30日 ブラジリア)
 98年大会覇者のフランスが30日(日本時間1日)、決勝トーナメント1回戦でナイジェリアを2―0で破り、2大会ぶりの準々決勝進出を決めた。昨年のU―20W杯で主将として同国を優勝に導いたMFポール・ポグバ(21=ユベントス)が、今大会初得点となる決勝点。試合終了間際にはオウンゴールで加点し、「レ・ブルー」が4大会ぶりの優勝に一歩近づいた。

 フランスが誇る新星が、まばゆい光を放った。かつて同国代表を支えた大型ボランチになぞらえ「ビエラ2世」の呼び声高いポグバが、今大会初得点で8強に進出。殊勲者は「僕がマン・オブ・ザ・マッチだけど、できるならばチーム全員にあげたい。全員の勝利だ」と殊勝な言葉を並べた。

 堅いゴールマウスをこじ開けたのは後半34分。バルビュエナの左CKを反対側で待ち受けると、GKエニェアマがはじいたボールが目の前へ。1メートル92の長身MFは宙を舞うと、あとはど派手なモヒカン頭を振り抜くだけだった。放ったシュートはチーム計15本。自身も前半22分に正面からの一撃を阻まれていたが、値千金の決勝点に「人生で最も誇らしい瞬間になった」と涙を流した。

 一つ間違えば、この一戦には出場していなかったかもしれない。初戦のホンジュラス戦でW・パラシオスの激しいマークを受けて転倒すると、倒れたまま蹴りを入れた。警告処分で済んだが、一発退場や出場停止処分の可能性すらあった愚行。「頭を冷やせ」とばかりに続くスイス戦は先発から外され、ようやく結果を残した。英断を下した98年優勝時の主将だったデシャン監督も「きょうは潜在能力の高さを披露したね」と目を細めた。

 欧州ではファーガソン監督を振った男としても有名だ。16歳でマンチェスターUの下部組織に入団して11年にプロデビューも、出場機会を求めて契約延長を拒否。12年にユベントスへ移籍金なしで移り、名将を激怒させた。それでもイタリアで才能を開花させ、英メディアが今夏にマンUが移籍金6000万ポンド(約104億円)で連れ戻しを図ると報じるほどの存在に成長した。

 98年、9人の得点者を出したフランス。ポグバの得点で、今大会は得点者6人となった。「レ・ブルー」に優勝の可能性が漂ってきた。

 ◇ポール・ポグバ 1993年3月15日、フランス・セーヌエマルヌ県生まれの21歳。16歳だった09年にマンチェスターUの下部組織に入団。前所属のルアーブル(フランス)が不当な引き抜きとして抗議する騒動となった。11年のプロデビューを経て12年8月にユベントスに移籍。13年3月のW杯欧州予選グルジア戦で代表デビュー。同年6、7月のU―20W杯では主将として優勝に貢献した。代表通算15試合3得点。ギニア移民の両親を持ち、双子の兄2人はギニア代表選手。1メートル92、80キロ。利き足は右。

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