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遠藤“高地効果”生かしてブレ球ミドル狙う

[ 2010年6月3日 06:00 ]

標高4000メートル級のアルプスの山を背に遠藤保仁は「光がまぶしいです」と一言

 【W杯日本代表直前合宿】W杯日本代表のMF遠藤保仁(30)が2日、ミドルシュートを積極的に狙っていく考えを明かした。1―2で敗れたイングランド戦では、ペナルティーエリア付近でボールを持つ機会がありながら、パスを選択するシーンが多かった。標高の高い場所ではボールが蹴った本人でも予想できない変化をするだけに、遠い位置からでもどん欲にゴールを狙っていく。

 ザースフェー滞在も1週間が過ぎ、誰もが肌で感じる“変化”があった。標高1800メートルの高地合宿。シュートを打った際に、空気抵抗が少ないためにボールが予想外のブレ方をする。遠藤は、その特性を本大会でも生かすことを念頭に置いた。
 「シュートを強く蹴れば変化する。それを常に頭に入れてやりたい。いい位置でボールをもらえれば積極的に狙いたいし、高い場所だとブレるから。枠にいけば、後はブレまかせですね」
 その変化は本人でも予測がつかないという。岡田監督が「今回の大会はミドルシュートがポイントになりそうな気がする」と話せば、GK楢崎も「ボールがどういう軌道で来るか分からない」と証言する。本大会ではカメルーン戦とデンマーク戦を標高1400メートル以上の高地で戦うだけに、この利点を生かさない手はない。
 イングランド戦では、ペナルティーエリア付近でボールを持つ機会がありながら、シュートは0本に終わった。対する相手のMFランパードは5本。試合を観戦した前日本代表監督のオシム氏からも「遠藤は自分で持ち込んで、自分でシュートしても良かった。ランパードを参考にしてほしい」と指摘された。
 2日に行われた紅白戦ではトップ下に入ったもようで、新司令塔としてコートジボワール戦に先発出場する可能性が高い。「次がW杯前の最後の試合になるんで、いい結果を残せるようにしたい」。初戦のカメルーン戦まで残り12日となり、緊張感も高まってきた。“仮想・カメルーン”を相手に、遠藤が新たな姿を披露する。

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2010年6月3日のニュース