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先発外れるのは俊輔…岡田監督非情決断へ

[ 2010年6月3日 06:00 ]

スパイクを履きかえる中村俊輔(右)を見つめる岡田武史監督

 W杯日本代表の岡田武史監督(53)がW杯前最後の強化試合となる4日のコートジボワール戦(スイス・シオン)で、MF中村俊輔(31=横浜)を先発から外す可能性が高くなった。非公開で行われた2日の紅白戦で、主力組は中村が左足首痛で欠場した5月30日のイングランド戦と同じメンバーで構成されたことが判明。今後の状態次第でメンバー入れ替えの可能性を残すが、本大会に向けた“レギュラー布陣”がついに固まってきた。

【日本代表メンバー


 W杯初戦のカメルーン戦(14日)まで2週間を切り、岡田監督が大きな決断を下そうとしている。コートジボワール戦に向け、非公開で行われた紅白戦。関係者によると、1本目の主力組はイングランド戦の先発メンバーで構成され、中村の姿はなかったという。指揮官は「(紅白戦は)3本やって計26、27分ぐらい。組み合わせはいろいろ試しました。ダブルボランチ?そうかもしれない」とはぐらかしたが、コートジボワール戦だけでなく、W杯本番での“俊輔外し”が徐々に現実味を帯びてきた。
 W杯前最後の2試合を同じメンバーで戦うことは、本大会の“レギュラー布陣”が固まりつつあることを意味する。岡田監督は5月24日の韓国戦で中村、本田の2人を同時起用。レフティーの併用を理想としていたが、韓国戦の惨敗により、守備を固める現実路線に変更した。戦術変更に伴い、中村、本田のいずれか1人に絞る決断を迫られ、欧州CLセビリア戦(3月16日)で得点するなど勢いのある本田を選んだ形だ。
 岡田監督は今回絞り込んだ固定メンバーで2つのシステムを併用する方針で、コートジボワール戦はイングランド戦で機能した4―1―4―1ではなく、4―2―3―1に変更することが濃厚。それでも自陣にブロックを作る守備重視の戦術に変わりはなく、ダブルボランチには阿部、長谷部が入る可能性が高い。4―1―4―1布陣でアンカーを担う阿部をピッチに入れておけば、試合の状況に応じて4―2―3―1から4―1―4―1へのスムーズなシステム変更が可能。阿部の抜てきにより、中村外しに拍車がかかった。
 中村は当面、スーパーサブとしてスタンバイする可能性が高いが、精度の高いFKは切り札でもあるだけに、今後の状態次第では本田との立場が逆転する可能性もゼロではない。中村の左足首は回復に向かっており、5月31日には地元クラブとの練習試合にフル出場。この日午後にはオフで観光を楽しむ選手もいる中、早川トレーナーとともに1人、非公開で自主練習を行った。少しでもコンディションを上げるために、急ピッチで調整を進めている。
 98年W杯フランス大会直前にはカズこと三浦知(現J2横浜FC)を登録メンバーから外す非情決断を下したメガネの指揮官。12年の時を経て、再び中心選手を外す決断をこのまま下すことになりそうだ。

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2010年6月3日のニュース