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荒れ荒れエトオが退場…日本戦ぶっつけも

[ 2010年6月3日 06:00 ]

<カメルーン・ポルトガル>退場となったエトオに声をかけるルグエン監督

 カメルーン代表のエースFWサムエル・エトオ(29=インテル・ミラノ)が、14日のW杯1次リーグ初戦、日本戦にぶっつけ本番で臨む可能性が出てきた。カメルーン代表は1日、ポルトガル・コビリャンでポルトガルと親善試合を行い、1―3で敗れた。エトオは3トップの右で先発したが、前半30分すぎに立て続けに2度の警告を受けて退場。W杯前最後の実戦となる5日のセルビア戦は出場停止が濃厚となった。

 前半32分、エトオは相手の先制点につながったFKの判定に不満を示し、暴言を吐いたとして1回目の警告を受けた。その1分後に相手MFメイレレスに対し足の裏を見せる危険なタックルを見舞い、ドイツ人主審から2枚目のイエローカードを出された。プレー時間はわずか33分。ピッチを去る際にはポルトガル・サポーターの大ブーイングに左手を上げたエースだが、試合後は白い大きなヘッドホンを耳に無言でバスに乗り込んだ。険しい表情が胸中を如実に物語っていた。
 エトオは所属するインテル・ミラノで欧州CL決勝に進出。過密日程による疲労があることから、ルグエン監督から7日間の特別休養を与えられ、代表合流は試合前日。直前には騒動もあった。90年イタリア大会でカメルーンを8強に導いた元同国代表FWロジェ・ミラ氏が「代表には貢献していない」と批判。反発したエトオはW杯欠場を示唆した。協会会長が仲介するなど事態は収束に向かったが、エトオにとっては代表への貢献度を示すためにも、W杯に向け連係を高めるためにも、重要な一戦だった。
 FIFAは、親善試合の退場による出場停止処分は原則として次の親善試合が対象となるとしている。従って規律委員会の処分時期にもよるが、エトオは5日のセルビア戦で出場停止となる可能性が高い。本番前最後のテストマッチにエースを起用できない恐れがあるルグエン監督は「大事なのはW杯でエトオが100%の状態になること」と話したものの「出場停止となれば問題?それはこれからチェックする」と険しい表情を見せた。
 カメルーンはポルトガル戦でも連係面の不安を露呈した。エトオがセルビア戦に出場できないとなれば問題を解消できないままW杯本番に臨むことになる。14日のW杯1次リーグ初戦で対戦する岡田ジャパンにとってはプラス材料。エトオの今後から目が離せない。

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2010年6月3日のニュース