365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月

【1986年6月】シーズン・イン・ザ・サン/売れなければ解散!?夏=TUBEが定着

[ 2011年6月16日 06:00 ]

 ★86年6月ランキング★
1 ジプシー・クイーン/中森明菜
2 夏色片想い/菊池桃子
3 Song for U.S.A./チェッカーズ
4 Ban BAN Ban/Kuwata Band
5 君は1000%/1986オメガトライブ
6 シーズン・イン・ザ・サン/TUBE
7 さよならオーシャン/杉山清貴
8 風のインビテーション/福永恵規
9 やぶさかでない/とんねるず
10 Dance Beatは夜明けまで/荻野目洋子
注目あじさい橋/城野内早苗
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【シーズン・イン・ザ・サン/TUBE】

 これが最後になるかもしれない。覚悟してリリースした3作目のシングルは、キリンビールのCMソングにも起用されたお陰で大ヒット。四半世紀以上続くバンド「TUBE」の飛躍はここから始まった。

 デビューシングルの「ベストセラー・サマー」がスマッシュヒットとなったものの、続く10月発売の「センチメンタルに首ったけ」は全くというほど売れなかった。

 次ダメだったら4作目は厳しい、という状況に追い込まれた。そこへ舞い込んだのがCMのタイアップの話だった。ただ、条件があった。すでにCMで使う映像が決まっていて、そのイメージに合う曲を作らなければならなかった。

 映像は南国の海岸で踊りながらビールジョッキを持つセクシーな女性と、同じ女性が踊りながらホースで水をまくという2本だった。女性の踊りのリズム、何か歌っているような口の動きなど、細かいところまで分析した上で、作曲を担当した織田哲郎が16ビートで構成。TUBEの初期の作品の詞を書き続けた亜蘭知子がリゾートムードいっぱいの世界を描いた。

 4月21日の発売後、小さなホールを中心にライブツアーに出た。ワゴン車1台で街から街へ移動したメンバーの楽しみは、ラジオから聞こえてくる「シーズン・イン…」。各ラジオ局が注目の1曲として採り上げたりしたケースもあったが、リスナーからのリクエストが数多く集まった証拠だった。「これは売れるかも」とボーカルの前田亘輝をヒットを予感した。

 「夏=TUBE」の図式は別に意図したわけではなかった。「シーズン・イン…」のリリースが夏に向かってのものだったことが結果的にイメージを定着させた。インタビューで前田は「夏といえばTUBEっていうのは抵抗があった。別にスイカを売ってるわけじゃないんだから。5年くらいは葛藤があった。冬に売れたいって。ようやくあきらめたのは10年くらいたってから」。

 07年に発売したアルバム「WINTER LETTER」は19年ぶりに冬場に出したものだった。その後は再度夏場に曲を出すようになり、「夏=TUBE」の図式は今でも続いている。

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